真田ァ!誕生日おめでとう!!!! | ナノ


▽ 壁一枚



「お、お邪魔しまぁす…」
「あ、ああ…」


まさかまさかまさか!真田くんのおうちにお邪魔することにになるとは…!
二人で帰っている途中、晴天だったにもかかわらず突然ゴロゴロと雷が鳴り始め、そしてすぐにものすごい量の雨が降り注いできた。二人して傘を持っていなかった為頑張って雨宿りする場所を探すも住宅街にそんな場所もなく。しかしそんな時真田くんがポツリと「家に来ないか」と言い放ったのだ。いろいろと戸惑いながらもお邪魔させていただくことにした私は、びしょびしょのなんとも言えない姿で初訪問である。


「少し待ってろ、今風呂を沸かす」
「もっもしや一緒に…!?」
「そ、んなわけないだろう馬鹿者!!」
「で、ですよねぇー!!」


当たり前だけれどちょっと浮かれた頭ではそんな考えなかったんです許してください。早足で奥に消えていく真田くんを見送り玄関に一人だ。真田くんのご両親とかいないのかな…挨拶とか……いや!この格好で挨拶するのもね!いかがなものだよね!


「とりあえず、これを」
「あ、タオル…ありがとう!あの、ご両親とかは…」
「皆出かけているみたいだな。…時間は大丈夫か」
「え?」
「雨もまだ強いし風呂に入っていけ、服も洗濯していけばいい」
「えっいや!そんな悪いし…っくしょおん!」
「…なまえ」
「…すみませんお借りします」




ぴちょんと髪からたれた水滴が湯船に落ちる。真田くんの家でお風呂を借りてお選択させてもらう日が来ようとは…いや、こうやってお付き合いを続けていけばいつの日か訪れるだろうけど!でもそれはもう少し親睦を深めてからというかなんというか………


「なまえ」
「ひゃい!さ、さな、真田くん!?」


なんで真田くんがここに!?真田くんの家だから当たり前だけどもしや本当に一緒にお風呂に入る気になったとかそういう感じ何ですか!?え、やだなどうしよう私まだ心の準備ができてないし、その、嫌ってわけじゃないんだけれど、ええと、こういう時はあれだ!


「お背中流しましょうか!?!!」
「バッ…そういうことで来たんじゃない!!」
「えっ!?なら一体どうして!?」
「お前の着替えがないと思ってだ、その、俺の服でいいか…?」
「もちろんですとも!!」


あは、あはははは…そういえば前に一回否定されてましたね…お背中流すのはもう少し遠い未来におねがいします。お風呂につかりながら真田くんとお話をするというソワソワする体験のあと、彼が持ってきてくれた服に袖を通すとふんわりと真田くんの匂いがして…真田くんこの洋服ください…


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