え、え〜?お前パンツ穿いてないってマジ〜?? | ナノ
寒い


「そりゃ無理な相談ぜよ」
「えっええー!?」


私にイリュージョンして服装検査受けてくれないかな?なんてお願いに、仁王くんは笑ってそう言った。


「お願い!私のこれからがかかってるの!!」
「そんなこと言われてものう…大体服装検査で引っかかるような格好でもないのに」


ジロリと見つめる彼の視線に胸がキュンとする。パンツのことがばれたら困るから、とはさすがに言えないし…普段と違う様子に気づいたのか、仁王くんはこれ以上のことは聞かずにいてくれた。優しさが身にしみるよ、仁王くん…


「まあ気になるんなら自分でどうにかしんしゃい。まだ時間はあるんだしのう」
「そんなこと言われてもなぁ…」

クーラーの効いているおかげかセーターを着ていても暑くはない。というか心が寒い。これから先のことを考えると目の前が真っ暗になる。
遅れてきた先生の号令で授業は始まったけれど、私の頭の中はこの危機的状況をどう切り抜けるか、ということしかなかった。

結局のところ素晴らしい案が出る訳でもなければパンツがどうにかなる訳でもない。無慈悲にも昼休みは私の考えていたよりも早く訪れたのだった。

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