え、え〜?お前パンツ穿いてないってマジ〜?? | ナノ
その手


固まった私をおいて幸村くんは「真田、あまり女子の前をうろうろしても気持ち悪いだけだよ」なんてことを言いながら教室に戻っていった。幸村くんひでぇ。それを間に受けたのか、真田くんは申し訳なさそうに教室に戻り、私も同じように自分のクラスへ向かった。

「ん?寒いんか?」
「…そういうことにしといて」

席につき、ロッカーの中に常備しておいた(別に放置してたわけじゃない)カーディガンを羽織ると、となりの仁王くんはえりをパタパタさせて訊ねてきた。
さすがに幸村くんに下着が透けてると指摘されたからとは言えない。ただでさえパンツをはいてないという一人羞恥プレイなのにブラを晒すなんていうさらに羞恥心を煽ることはしたくない。もう十分だ。

「あっ…あああ…!!」

そうじゃん、私いまパンツはいてないんじゃん!真田くん達と話をしたので気がほぐれたのか忘れていたけれど、大ピンチだったじゃん!

「なあ」
「ひっ!?…な、なんだぁもう、おどかさないでよ…」
「濡れ衣ぜよ…。大体さっきから様子がおかしいから心配したというのに…まーくんさみしい…」
「まーくん…!」

ついつられて変な呼び方で呼んでしまったけれど、仁王くん優しい。ピンチだからか2割増くらいで優しく感じる。

「ほれ、飴でも食べんしゃい」

そう言った仁王は何もないところからパッと飴玉を出して私に差し出す。あとでじっくり食べよっと…

「ありがとう仁王くん…ね、それもイリュージョン?」
「こんなの簡単な手品ぜよ」
「へぇ…でも試合の時はイリュージョンしてるんでしょ?柳生くん…に……」

ここで私は思い出した…そうだ、仁王くんはイリュージョンで(言い方は悪いけど)柳生くんに化けて出ることができるんだ…もしかしたら、それって私にもなれるんじゃ…?服装検査も替え玉でなんとかできるんじゃ…?

「に、仁王くん…私一生のお願いがあるんだけど…!!!」

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