え、え〜?お前パンツ穿いてないってマジ〜?? | ナノ
ひみつ

元はといえば丸井くんのせいなのだけれど、流石にノーパンで彼のジャージを穿くのは忍びなさすぎる。奇声を発したまま固まった私を見て訳がわからなそうにする丸井くんとジャッカルくんだが、何やら勘違いしたのか別に汚くねぇよ!とぶーぶー丸井くんが言い出した。体育のあとだから汗臭いだろ、とジャッカルくんのツッコミもスルーして早く穿けと催促する丸井くん。あああ…どうしたものか…


「あの、ま、丸井くん…耳…貸して?」
「んー?別にいいけど?」


ドン引きされてもいいや、言おう。言わなければ私は丸井くんにずっと後ろめたい気持ちを持ったまま接することになる。私と彼の絆(があるかどうかは置いておくとして)は私がノーパンということで壊れたりしない…はずだよね!
丸井くんの耳の周りに音が漏れないように手で囲いを作って、ついに、告げた…私がノーパンだということを…


「…え?あ、ハァッ!?おまっなに言って」
「しーっ!!ちょっと大声出さないでよ!」
「だってこんな嘘みてぇな話聞いて驚かないのが無理だろぃ!?」
「嘘じゃないしほんとだし!だから言ってるのに!!」


ヤケクソもいいところだ。私の言葉を聞いたあとにスカートのあたりを凝視する丸井くんにボッと顔が熱くなる。手で隠して彼の名前を呼ぶとハッとした顔をして私の方を向き、そして彼も私のように顔を赤くしていた。


「…穿けばいいだろぃ」
「え?」
「貸すって言ったんだ、男に二言はねぇよ」
「ま、丸井くん…!」


早速ありがとうと告げてジャージの入ったカバンを持ち更衣室まで走る。乱雑に扉を開けて早速ハーフパンツを穿いてみると、それはもう…とてつもない安心感がそこにはあった。下半身を何かに守られているというだけでこんなにも違うものなの…?制服は更衣室に干して丸井、と書かれたジャージを上下とも着る。濡れた体には暖かい。ありがとう丸井くん、棚からぼた餅だよ…

廊下に出たら真田くんにばったり会ってジャージを着ていること、しかも丸井くんのだということ(こっちのがうるさかった。女が男の服をなんたらかんたら…)に関して大目玉を食らった。けれどそんなのどうでもいいくらい、私は今、最高にハイ!ってやつなのだ…!








「おい」
「…なんだよジャッカル」
「どうしたんだよその顔、あ、苗字から告白されたとか?よかったじゃねぇか」
「ッバカ!ちげぇし!いやある意味告白されたっちゃされたけど…う、」
「ん?」
「ちょっと、いや…かなりヤベェ…」


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