え、え〜?お前パンツ穿いてないってマジ〜?? | ナノ
教えて

「わざとじゃないっつーか!びっくりして握り締めて…っていうか大丈夫かよお前!!」
「…大丈夫じゃなあい!こんなのあまりだよ!あと2時間残ってるのに!!」
「あ!ジャージ着ればいいんじゃね?名案だろぃ!」
「今日の体育プールだからジャージ持ってないもん!ほんともう…もう…」


丸井くんがすべて悪くないのはわかっているけれど、こんな状況になったきっかけでもあるのだ。恨めしそうに見れば彼の顔がどんどん焦ったものに変わっていく。こんなことしていても仕方ない。とりあえず立って雑巾を取り、濡れた床を拭き、水道で雑巾洗い、ついでにシャツも洗う。こうなったらびしょ濡れでもなんでもいい。どうせ濡れてるんだし。雑巾を定位置に戻して教室に入ると、びしょ濡れになった私に丸井くんの目がまんまるになる。


「お、おいお前それ…」
「シミになっても困るし。どうせ濡れてるなら洗っちゃえーって」
「おい苗字、俺のタオルでよかったら使うか…って何だこれ!?」
「わっ、ジャッカルくんありがと!貸して!それと詳しいことは丸井くんに聞いて」


一部始終を見ていたらしいジャッカルくんがわざわざ(ここが重要)教室に取りに行ってくれたタオルでシャツを拭く。や…やさしい…!こう酷い目にばかり会っていると優しさが身にしみる。これからどうしたものか…いくら夏だといって教室内はもちろん校内は冷房ガンガンだし、すぐに乾くとは言い難い。濡れていないのはブラと靴下のみ、というとんでもない状況をどうやって打破すべきか…


「あー…苗字、あのさ、本当にわりぃ…」
「過ぎたことは仕方ないよ…と言いたいけど、これどうしよッくしゅん!」
「平気か?こう冷房効いてると女子にはきついよな」
「…よし!苗字、ジャージ貸してやるよ!」
「え!本当!?」
「おう!」


お決まりの「ジャッカルが!」というくだりはなく(珍しい…)本当にジャージを貸してくれるらしく、汗くさくても文句言うなよーなんて笑いながら丸井くんは私にジャージの入ったカバンを握らせる。う、嬉しい…この状況でこれはとても嬉しい。早速これに着替えなくては…


「ありがとう丸井くん!ちゃんと洗って返すね!!」
「元はといえばこいつが悪いんだから気にしなくていいって」
「なんだよジャッカルその言い方!」
「いやいや、本当に助かったよ…あーッ!?!!」


助かった、たしかに助かったけれど…わ、わ、私って今ノーパンじゃない…男子のジャージをノーパンで穿くのはいかがなものなのか。耐えられない、そんなのとてもじゃないけど恥ずかしすぎる。ジャージを穿けば「見られるかもしれない」という危機はなくなるけれど、それと同時にいろいろなものを失ってしまうことになる。私は一体どうしたらいいんでしょうか…教えて神様…


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