「おい佐藤」
「ごめんねジャッカルくん!私ってば今猛烈に燃えて爆発バーニン!グレイトゥ!な感じでね!」
「お、おう…?」
「だから一緒のご飯はしばらくお休みってことで!」

着替えとお弁当を持って教室を出る。忘れられないのなら考えられないくらい忙しくなればいい。忙しいのは好きだ。頑張ろうって意欲が湧くし、何より楽しい。
なにかしていないと、私はついつい真田くんのことを考えてしまうことに気がついた。怖い。私が変わっていくのが、もしかしたらと期待するのが、悲しい結末が…訪れるかもしれないということが。

「…ッは……は…」

外で走って日焼けなんてことは嫌なので先生に頼み込み、体育館を貸してもらうおうとしたら、それはまあ驚くくらい感激され快く昼休みの使用許可を頂いた。熱くて代わり映えしないここは、走っていて全然楽しくない。つらい。でも…まだましだ。こっちのがまだ心が楽で、救いがある。

「ぎゃあっ」

ばちん!靴紐を踏んずけた音、そのあとに思い切り…こけた。顔から。痛い…けど、冷たくって…あー…きもちい…うつ伏せたままぼんやりとする。開けたドアから入り込む風は生暖かいけど汗が冷えていい感じ。ちょっと休憩にしようかな。そのあとも教室に戻ろう。うん…それがいい。

「…佐藤?おい!佐藤!?佐藤!!大丈夫か!?」
「え…あ、えっ!?」

ちらっとうつ伏せた隙間から声のする方を覗けば、ああやっぱり、真田くんじゃないか!えっこれ、熱中症とかで、幻覚見えちゃってるパターン?それよりも私はついに幻覚見るほどまでに?

「大丈夫か、どこが悪いんだ!?とりあえず保健室に行くか!?!!」
「あ、あの…真田くん?」
「ああ!そうだ!だからもう安心しろッ!!」

真田くんが私を起こして座らせられる。あーこれ絶対に勘違いしてるよ。でも、心配してくれてる…こんな慌てて驚いた顔で…って!顔近い!!体も近いよ!?ぐぐぐんと心臓が走っていたよりもずっと早く動き出す。それと一緒に全身に血が回って、顔が熱い…ああもう、やっぱり好きだ…




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