どうしよう、すごく死にたい。死ななくてもいいからとりあえず誰も私のことを知らないところに行きたい…
好きだと認めた瞬間に、それはもうひどく恥ずかしくなった。何が好きよ。今まで散々否定して、友達だなんて言ったくせに矛盾しているし…そもそも私は真田くんの前でいろいろとやらかしているじゃないか。
ため息をついて自分の席に荷物を置くと、おはようとジャッカルくんが声をかけた。おはようと返し席に着くと、なんだか不思議そうな…いつになく難しそうな顔をして私を見つめてくる。な、なんだろ…ご飯粒とかついてたかな…
「あれ、佐藤なんか変わったか?」
「え?そうかな、別に変わったことなんて…」
「雰囲気が、こう…なんだよ、好きな人でもでき……え?ま、マジ?」
バレバレか。少し話しただけでバレるなんて。ちょっと演劇部しっかりして、ここは演技で乗り切らなくちゃいけないところじゃないの。…と思ったけれど顔の赤さを演技したからといってどうにかできるわけではなさそうだ。とりあえずコクリと頷くと、私とは対照的にジャッカルくんの顔がナスもびっくりなほど青ざめてゆく。
「ちょっとまて、それって」
「…そうなの、実は私」
「ついに失恋か…」
「え!?なにそれどういう意味!?」
失恋って、私が!?気づいたばかりなのにもう!?そんな…真田くん好きな人か彼女かいるの?私達(不本意だったけれど)確かに友情を確かめあった仲なのに!何も知らないんだけど…やっぱり男友達とじゃ差があるのか…
「で?結局誰なんだよ、その好きな奴って」
「そッそれは…もう!わかってるくせに!」
「いやいやわかんねーって」
「鬼かよ………だ、くん…」
「ん?」
「だから!…さなだくん」
「ええ!?」
ジャッカルくんの顔色が戻り、心なしか高揚している彼を横目に私は本当に死んでしまいたくなった。恥ずかしすぎる…まだ女友達にも言ってないのになんでジャッカルくんにこんなことを言っているんだろう…できることならば神様私を今すぐ地中の奥深くまで埋めてください…
「あー、なんだよかったよかった」
「よくない!なにがいいの!」
「そりゃあ…な?」
そりゃあ、なによ。私は馬鹿だからちゃんと言ってくれないとわからないっていうのに…彼は友達だけれど良くわからないところがある。それはもう、初めて会った時から、真田くんとの仲を聞いてくるような……あっ、
「ジャッカルくん」
「なんだ?」
「私、どう思う?恋愛対象の中とかにいるかな」
「おう」
「そっか」
「なんかよ、ほんとに変わったよな」
「うるさい」
私だって驚いている。自分自身のこの変わり様に。好きだって気がついたら、まさかこんなに恥ずかしくなって馬鹿が進行して、ドキドキするなんて、思ってもみなかった。
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