天の川コズミック



「なんか最近ミョウジと目が合うんだよなぁ」


そう言えばという前置きのあと、ぽつりと、ミッキーが不思議そうに言い出した。そしてそれににその場の全員がぱっと興味深そうにミッキーを見つめる。それは私も一緒で、まず初めに「なにそれ聞いてないんだけど!」とめぐみの抗議が飛び、京介が「ついにミッキーにも春が来たか!」とどやし、香織は「ミョウジってうちのクラスの?」とキラキラした目で見ている。
当の本人は本当にそんな気はなかったようで、いや、その、なんて口どもりながら少し顔を赤くしているばかりだ。へえ、ミョウジさんって多分同じクラスの…いつの間にそんな仲になったんだろう。


「あー!もう!なんだよここぞとばかりに!」
「だって珍しいじゃん、ミッキーが女子に…はぁ…よかったね」
「藤原の言葉ってどうしてこうもイラっとさせるんだろうな」
「それよりさ、どんな感じなの?目が合って見つめ合うとか!?」
「そんなんじゃねーし!」


ミッキーの口は恥ずかしいのかよく動いた。最近視線を感じてふりむくとミョウジが同じタイミングで目を反らすんだよ。反らさないときはいかにも「私は何も見てませんから〜」といった顔をしてくる。そんな感じのことを言って、ハァ…とため息をつくミッキーにちょっと悪いなとは思うけれど、思うだけだ。実際はみんな楽しんでる。


「えー?それマジだったら本当にミッキーのこと好きだったりしてね」
「いいじゃんかわいーよナマエちゃん、大人しくて目立たないけど『彼女が本当は可愛いことに僕だけが知ってる』みたいな男に人気あるし」
「うわ…京介その例え気持ち悪い…」


私の言葉に京介がもう一回言ってとせがみ私が殴る。ここまでがテンプレート。気がつくと話はめぐみのメガネくん狩りの話になっていて、隣で香織がそんなことはやめなよと諭していた。同じようにめぐみに諭して、チラリとミッキーを見ると何が考え事をしているようだった。



そして、そんなことも忘れた次の日の昼休み。



「喜多川くん、今って時間空いてますか!」


昨日の話の中心にもなったミョウジさんが、ミッキーに話しかけた。


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