※真田のお話ですが丸井視点です
※エロとかではないけれど閲覧注意








「真田くん!只今お時間よろしいですかねッ!?」


試験も終わり部活に顔を出しに行かないか、なんて誰かが言い出したのが始まりだ。気がついたらそれにみんな乗っかり、それならいつ行くか、今日でしょ!…なんて寒いノリで3年全員でテニスコートに向かっていたとき、後ろから声がかかった。いや誰に、というのはわかっているけどその声が女子だというのと、その相手が真田だってことに目を丸くして俺も振り返る。見たことあるようなないような…隣にいた仁王に尋ねれば真田よ彼女だと返され…え?嘘だろ真田って彼女いんの?ゲェーッまじかよ…


「名字。ああ、構わないが」
「ははーっ!ありがたき幸せ!」
「…なんだそれは。それよりも俺になにか用事があるんだろう?」
「そうなの!えっと…その、これ!これねバレンタインのやつ!」
「菓子を校内に持ち込むとは感心せんな」
「あ、平気平気。お菓子じゃないから。さっすがに風紀委員長サマにお菓子学校でやるのはどうかなーって思って」


へ、変な女…笑ってる顔は、まあ、それなりにかわいいっちゃかわいいけど、それをひっくり返すくらい変だ。部内外でも鬼のようだと言われる真田と付き合ってる時点で変といったら変なんだろうけど。
俺の視線に気がついていないであろう二人はキャッキャと話をしていて、真田ですら彼女からバレンタインのプレゼントがあるってことにイラッとする。なーにが開けていいか?だよ。家でやれっての。


「こ、これは…!」
「えへへ、いやぁこれって割と高いんだねぇ!びっくりしちゃったよ!」


なにを渡したのか気になって少し覗き込み、すぐに後悔した。真田の手に握られ端からぴろんと垂れ下がっているのは、まあ見事に真っ黒なふんどしだった。なんでふんどし。バレンタインだろ、おい。まだチョコの方が校則破ってたとしてもずっといいだろ。


「な、なんと見事な…!」
「ぶーっ!?」


真田もなんだよその反応!!見事な、じゃねぇって!!思わず吹き出したのは俺だけではないらしく、真田たちの一部始終を見ていた俺たちテニス部は、みんな口を手に当てて震えている。


「いやぁ、柳くんになにがいいかなって聞いてみたらふんどしはどうだ?って言われて。ありがとねーっ柳くん!」


真田と話をしていたのにパッとこちらを向いたかと思うと、その名字とやらは柳の方へ手を振った。なんて無駄にいい笑顔。というかお前の仕組んだことだったのかよ柳!なにが礼には及ばないだ!笑いこらえてるの丸分かりなんだからな!!今日はふんどしの日なんだってとかなんとか言ってる名字も女子にふんどし貰って喜んでる真田も、訳わかんねぇ。ホワイトデーにはふんどし送り返すのか?ん?変態かよ…ついていけねぇ…
ふんどしカップルを置き去りにテニスコートへ向かう俺。やってらんねぇって。そう思ったのは俺だけじゃないらしく、真田以外の面々はテニスコートへ足を進めている。まあ、ある意味お似合いのカップルだよな、あいつら。




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ふんどし協会の回し者みたいな話になりました。
2/14はふんどしの日らしいですね。バレンタインにふんどし贈られて喜ぶ真田(公式)はちょっと頭おかしいと思う。ちなみに3/14はふんどし返しの日らしいです。ナイスふんどし!

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