||| plus alpha ハロウィンという言葉も世間に馴染んできたなぁと思う。私は生まれてからハロウィンというものを楽しんだことがなくて、まず仮装をするというのが嫌だったし「トリックオアトリート」などと言ってお菓子をねだるのはなんだかプライドを傷つけられる気がして、さらにいうと私はかぼちゃが嫌いだ。ハロウィンに私の楽しめる要素がどこにあるというのか。 「ちょー…かったるいんだけど…」 「おいわかっているだろうな。よしんば授業であろうとも勝負には勝たなければならない、常勝と言っている我らが負けるわけにはいかないのだ」 「めんどくさいんだけど…それって真田の都合じゃん」 「一番になったら内申点も上がる、お前に関係のない話じゃないだろう」 「せやね」 外国人の先生の提案でハロウィンパーティーに変わってしまった英語の時間、正直ため息しか出ない。ここは日本だぞ…ハロウィンなんて日本でいうお盆だろ…きゅうりとナス買ってこいよ、馬とか作るし… 「パンプキン!」 「オー!サナーダ!グルェイト!」 真田がよく分からないハロウィンクイズに答えると先生はやたらと嬉しそうな顔で真田を褒める。当たり前だ。こんなの真面目に参加してるのは真田に柳生に…あとはクラスのお調子者くらいだもの。後は私と同じくかったるそーに適当に授業に参加している。 真田のおかげで私達のグループは得点がいい。もちろんテッキトーに発音もクソもないような英語で私もごく希に答えるが大体が真田の点だ。そして最終発表はもちろん、私達のグループが一番だった。 「真田」 「なんだ」 「これあげるよ」 真田の手を無理矢理引っ張り出してクッキーをのせると、なんとも言えない顔をされる。 優勝商品として私達のグループはクッキーをもらった。そこまではいい。でも中身がかぼちゃだ、それも、しっとり系のクッキーで!!こんなもの食べれんわ!! 「あんた一番頑張ってたでしょ、点数ももらえたし」 「それはお前もだろ」 「いいから、ほら、ごほうび」 私の言葉に複雑そうに、でもちょっと嬉しそうにする真田によしよしと頷いて次の授業の準備をする。 そして私は次の日から、なにかする度に真田から「ご褒美」と称して飴をもらうことになるのだけれど、それはまた、別のお話。 Feb 28, 2015 09:00 browser-back please. |