||| plus alpha

目が覚めると、となりには知らない男がいた。思わず奇声を発して男から距離を取る…が、私の寝ていたのは壁側のため、壁にびたんと張り付いてすやすやと寝る男を見下ろすだけだった。


「あ、あれ…服、着てる…?」


真っ裸だと思っていた私も彼もちゃんと服を着ている。というかこの男が着ているのって、某超次元テニスプレイヤーがわんさか出る漫画の王者で神奈川県に学校があるあそこのユニホームに…見える…いや、いやいやいや!!確かに私はその漫画好きだけど!!でもよく見ると真田に似ているような…ってそんなことはないって!!


「ん…なん、だ、ここは…」


起きたァアア!!!色々な意味で冷や汗だらだらな私をおいて、真田似の立海ユニホームの男は私のベッドからむくりと起き、部屋を見渡す。そして隣の私に気がつくと、彼もまた奇声を発してベッドからずり落ちた。なんだかシンパシーを感じる。


「お、お前は誰だ…どうして俺の部屋、え、な、なん、おま…!?!??」
「え!?ここあなたの部屋!?いやでも確かに私の…部屋だわ。うん」
「とっとにかく出ていかんかぁ!!!」
「ヒィーッ!!ごめんなさいッ!!出ていきます!!!」


内装も干してある服も、全てが私の部屋だと主張しているのに、なんでこんなことになってるんだ…!?もしかして前の部屋の住人?いや、前に忘れ物をしたとかで会ったけれど女の人だったじゃないか。出ていくとは言ったものの天地がひっくり返ったってここは私の部屋なのに。なぜ出ていかなければならないんだ。こうなると考えは一つしかない…


「い、居直り強盗…!?」
「お前強盗だったのか!!なんという奴だ!!」
「それはあなたのほッ!?む、むごー!!ふごごごご!?!!?」


すべて言い切る前に組み敷かれ口も押さえられ、なす術がなくなってしまった。どうしよう、私、鼻が詰まってて口で息してたのに…ッ!離してと言ってみるも伝わるはずもなく、むしろ空気がなくなって苦しい。アカン…
最後にこの男の声がやけに真田にそっくりだった、ということが頭の中に浮かんでは、そのまま私の意識とともに消えていった。


Mar 24, 2014 21:47
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