西くんに会えるのはガンツに呼び出された時しかなかった。住所とか学校とか彼のパーソナルデータは一切知らない。別に知ろうとも思わない。でもね、私の唯一の好きな人だ。
「西くん、今ミッション中だよ」 「だったら?」 「点数いいのかなあと」
私の気遣いもむなしく彼はシカトを決め込んで行為を続けた。街灯も人影もない静かな暗闇で顔もろくに見えないのに彼は器用に私の服を脱がせていく。それどころか敏感な所を当ててくる。彼とするのが初めてじゃないからかもしれないけど、なんだか妬けた。きも。
「もういいから、西くんのちょうだい」 「うわ。淫乱発言」 「何よびんびんになってるくせに」
勘で手を伸ばした先にやたら熱くて硬いものがあった。予想外だったようで西くんの息を飲む音がして、私の気分はすっかりよろしくなってしまう。指先で刺激して挑発すると舌打ちをして手を払いのけられた。教育がなってないようだ。足が持ち上げられて何の躊躇もなく入ってくる。
「ハッ、ぐっしょぐしょにしてるからすぐ入った」 「だってしばらく、してなかったし」 「加減しねぇからな」 「うん。好きにして」
手探りで西くんの首を見つけて抱きつくとそれを合図に動きだす。最後にした時を思い出してあの時は今より暑くて呼吸するのが精一杯だったとかノスタルジアに浸っても、より頭が痛くなるばかりだった。叱られない程度に喘いで、彼がいきそうになったら私もいきそうなふりをする。いつも彼は私の中に全部出すからつい嬉しくなっちゃうんだ。
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