なまえを優しく抱き上げると虚ろな目を俺に向けて短く息を吐いた。腰を引き寄せて奥まで届くように突き上げるときゅっと目を閉じるような、その表情が好き。スカートの裾が俺の腰元で揺れた。

「…なに、急に」
「こっちの方が、なまえの顔がよく見れるから」
「やだよ、恥ずかしい」

無防備な胸も触ってやると本当に想定外だったようで首に抱きついてきた。これじゃあ体勢を変えた意味がない、と思ったけど、案外そうでもなかったようだ。なまえの喘ぐ声がよく聞こえてこれはこれでいい。変態みたいなこと言うけど。

「すご、奥まできてる」
「なんか、なまえ今日すごく、えろいね」
「そ、そんなことない」

なまえの腕を離してキスをする。舌をねじ込んで、互いに互いを全部飲み干す勢い。これ以上焦らすのも俺自身にとって毒だ。少しスピードを上げてなまえをエスコートしていく。徐々に徐々に声が切なく高く響いていって、中が締まるのがわかった。

「ねえなまえ」
「なに?」
「呼んだだけ」

次起きたときには俺はまた新しい旅に出なきゃならない。だから、なまえとはしばらくお別れなわけで。しかも今回はいつ帰れるかわからない、もしかしたらもうずっと帰ることはできないかもしれない。探し人はずっと前に俺自身が倒したのだ。
俺もなまえも絶頂を迎えて、気がつくと中に出していた。惚けた感覚の中でなまえがぐったりと俺に身を預ける。卑怯者、と囁かれたところで、俺はきっと明日も何なく生きている。








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