「いいなぁ。綺麗な筋肉」
内ももになまえの手がぺたぺたと触れている。広範囲を軽く叩いたりつねったり、指先で押してみたりもしてくる。いつも触れてくる手つきと違うのがまた俺の我儘を引き出してきた。
「なぁ、なまえ」 「ん?」 「興奮してきた」 「え」 「俺にも触らせて」
短いプリーツスカートの中へ右手を忍ばせた。彼女の足もそこそこ筋肉はついているがすこしだけ俺やミカサより柔らかい。俺の肩に手を置いて距離をとろうとするが腰を寄せてしまえばこちらのものだ。尻と太ももの境目まで手を這わせると、彼女は意味深な息遣いをし始める。
「エレン、私その気になっちゃうから」 「させようとしてんだけど」 「やだ、ばか、はげ、へんたい」 「可愛くねぇ口だな」
毒ばかり吐く口を塞いでしまえばキスに弱いなまえはすぐに力が抜けた。すぐ側にあった机の上に押し倒して首元に噛みつく。彼女の表情を窺おうと目線だけ上にあげると、彼女の瞼は固く閉じているか、斜め下の方を、見ているというよりは目だけ向けているという感じだった。いい色合いの瞳だ。
「えろい目」 「誰のせいよ」 「俺のおかげだな」 「おかげって。兵長の躾はどうなってるの」
唾を飲み込む音が微かに聞こえた。白いブラウスの前を開いて汗ばむ肌に触れる。息をしている事すらもどかしくて、俺たちの日常はいつまでつまらないのだろうかと思った。
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