どうしよう。井浦の緑色が頭から離れなくなった。草木や緑茶やチョークまで、緑色がすべて井浦を連想させるのだ。全く以って迷惑極まりない。反して緑色に囲まれた生活は居心地いい。所謂、たぶん、好きってやつだ。
「井浦ー」 「何ーみょうじさーん」 「どうして井浦は緑色なのかなー」 「本当だねー」 「でも似合うよー」 「わーい!みょうじさんに褒められちゃったー!」
井浦はきゃいきゃいしながら両手を頭の上に突き上げた。子供みたいに無邪気な感じで、なんか何でもかんでも楽しく受け止めているようで純粋に可愛い。私は意を決することにした。
「井浦ー」 「なーにみょうじさん!」 「だいすき」
停止ボタンを押したみたいに井浦の動きが完全に止まった。そしてじわじわ染まる赤色。クリスマスカラーだね。
世界一
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