なまえは俺の肌が大好きだ。自分で言うのも痛々しいが本当に好かれているのだ。なまえが俺の頬にキスの雨を降り注ぎだしたら始まりの合図。そのまま食ってくれと言わんばかりに赤い舌をべえっと出して俺を待つ。だいたいその頃にはすでに俺も乗り気にされていて、何も考えずにその舌に噛みついてしまう。踊らされたとは自覚していても、理性ってあっけないものだ。
「シルバー、もっと、ちょうだい」 「俺も、足りねえ」 「うわっ、こ、こわれちゃう」
あつい。あつい。あつい。なまえの額に俺の汗が一滴落ちて重力に誘われるがまま下へ、そしてなまえ自身の汗と混ざった。まるで今の俺たちみたいだ。なまえが一際高く声をあげた。ぎゅうと中で締め付けられ、俺も達した。熱い息が肌をかすめる。妙にくすぐったかった。
「シルバーの肌きれい」 「なまえのが、女なんだからきれいだろ」 「ううん。シルバーの肌には欲情する」
胸板に添えられただけの右手。何かを期待しているその肌の下の心臓。問題はどこから再開するかについてだけだ。
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