現在はすぐに過去になって忘却の彼方に追いやられてしまう。先週の月曜日に食べた昼飯は?一昨日見た夢は?今日素振りを始めた時間は何時から?俺の頭はいつでもぼーっとして何も覚えたがらない。きみの顔も忘れた。
「山崎くん甘いもの好きだったっけ」 「いけるほうだと思いますよ」 「よかった!これ副長に頂いたんだけど」
なまえちゃんが持つ白い箱の中から、苺のショートケーキとさくらのモンブランが可愛らしくこちらを見上げている。春色というわけか、甘そうだ。いや、それよりきっと、なまえちゃんのほうがおいしいよね。
「俺はいいよ。今お腹いっぱいだし」 「あ、そっか」 「ごめんね」 「ううん。また今度一緒に食べましょ」
あれ、何の話してたっけ?(笑)
純愛をなくした僕も かつては純粋な男の子 でした。
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