▼ 01 「くぉら!!翼!!」 「ぬぬぬーなんで俺なのだぁー」 今日も星月学園ではパパ、基生徒会長と とてもとても大きな子どもの天羽翼君が 追いかけっこをしています。 この二人はとても仲良しです。 その様子を傍から見ている私と月子ちゃんと、 颯斗君はいつも微笑んでいます。 でもそろそろ追いかけっこを初めて10分。 颯斗くんのお怒りが飛ぶ頃。 「陽ちゃん、はい。これ。」 そういって渡してくれたのは耳栓。 月子ちゃんもちゃんとつけてたようだ。 颯斗君もにっこり微笑んで頷いている。 「ありがとう」 私はお礼を言って月子ちゃんの背に隠れた。 颯斗君の指で黒板の旋律が奏でられるまで、 あと3秒。 「うわああああぬいぬいいい!!」 「お?翼ー、観念したのかー?」 「違うのだ!!そらそらの顔・・・!」 「・・・え・・」 「お二人とも、準備はよろしいですね?」 その颯斗くんの声により、旋律が奏でられ始めた。 「「ぎゃあああああああああああ」」 生徒会室一辺は翼君と、一樹君の断末魔いっぱいになり 私の隣で颯斗君と月子ちゃんが笑っていたけど その声は断末魔でかき消されて聞こえなかった。 星月学園のお父さんは無邪気です。 |