小説 | ナノ

01


「くぉら!!翼!!」


「ぬぬぬーなんで俺なのだぁー」


今日も星月学園ではパパ、基生徒会長と
とてもとても大きな子どもの天羽翼君が
追いかけっこをしています。
この二人はとても仲良しです。

その様子を傍から見ている私と月子ちゃんと、
颯斗君はいつも微笑んでいます。
でもそろそろ追いかけっこを初めて10分。
颯斗くんのお怒りが飛ぶ頃。


「陽ちゃん、はい。これ。」


そういって渡してくれたのは耳栓。
月子ちゃんもちゃんとつけてたようだ。
颯斗君もにっこり微笑んで頷いている。


「ありがとう」


私はお礼を言って月子ちゃんの背に隠れた。


颯斗君の指で黒板の旋律が奏でられるまで、
あと3秒。



「うわああああぬいぬいいい!!」


「お?翼ー、観念したのかー?」


「違うのだ!!そらそらの顔・・・!」


「・・・え・・」


「お二人とも、準備はよろしいですね?」



その颯斗くんの声により、旋律が奏でられ始めた。



「「ぎゃあああああああああああ」」


生徒会室一辺は翼君と、一樹君の断末魔いっぱいになり
私の隣で颯斗君と月子ちゃんが笑っていたけど
その声は断末魔でかき消されて聞こえなかった。


星月学園のお父さんは無邪気です。








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