小説 | ナノ

 03

*月子視点


私は今日星月学園に入学した。
幼馴染の錫也と哉太と一緒に門をくぐった。

周りは男の子ばかりで女の子ひとりだけって聞いてたけど
まさか・・・ここまで男の子ばかりだとは・・・。

「月子、俺らの傍を離れるなよ?」

錫也は私の右隣でそう注意してくれて

「お前は迷子になりやすいからな。
気をつけろよ」

と、哉太は私の左隣で注意してくれた。
私はそんな二人に「わかってるよー」と苦笑した。

「ねえねえ、最初は体育館に集合するんでいいの?」

二人にそう尋ねると錫也は今日の入学式のパンフレットを
ひらき、哉太は「先に教室だな」と言っていた。


教室か。私たちは天文科。先生は誰なんだろうなぁと
少し楽しみになった。だって先生は女の人だってこともあり得るはず!
楽しみだなぁ。

と、ひとりわくわくしてると肩をたたかれた。
振り向くとそこには綺麗な青緑色の髪を持つ人が
微笑んで立っていた。


「そこのお嬢さん、少しいいかな?」


そしてとてつもなくかっこいい人だった。
制服は私と同じ女生徒の服だから女性なのだろう。
彼女は錫也と哉太の制止の声も聞かずに私の手を取り、
ずんずんと歩いてたどり着いたのは保健室だった。

なんでだろうと思ったけど何も言わないでおいた。
ネクタイの色が青色。先輩だ。

と、彼女を見ていると、なんと彼女は紅茶を私に入れてくれた。
優しい先輩だ・・・!と内心感動していると
次は私の表情をみてなにか閃いたのか、ポンッと手を鳴らし、
ベッドで寝ていた保健医(彼?彼女?も、また同じ青緑色・・)の紹介をしてくれた。
が、チョップをされていた。

声が低かったのでもしかしたら保健医さんは男性なのだ。
彼女は保健医さんを”琥太にぃ”と呼んでいた。


「お前は自己紹介したのか?」


「・・・ハッ!!」


ひと悶着があったあと、彼女は再び閃いたように声をあげ、
そのあと少しショックを受けていたが
私の背に合わせるように屈んで目を合わせてくれた。
そして申し訳なさそうに「私の名前は温香陽だ」と
言ってくれたのは嬉しいのですが、先輩の澄んだ瞳に目を奪われた。


「・・・あれー?私自己紹介終わったよ??
あれー・・・?マドンナちゃーん?」


私の前で手をかざしては振ってを繰り返してくれたおかげで
なんとか目を覚ました。


「あ、すみません!!
私は・・えっと、夜久月子と申します・・!!」


というと彼女はにひひっと微笑んでくれた。
その顔の綺麗さにまた見惚れた。


「・・夜久、お前コイツに惚れたか?」


「え?!そんな!ことは!!」


琥太朗先生の言葉に私はしどろもどろ。
でもそんなことは決してない、はず。
・・・でも、見惚れた。


「え?そうなの?月子ちゃん」


彼女は嬉しそうに微笑んでいた。
とても嬉しそうだけど、どこか黒い雰囲気が漂う。
なんだか・・・大人の色気というか・・・。
まるで雌豹のようだ。


「・・えっと・・・先輩、用事があるんですよね・・?
私・・急がないと・・!」


私はつい居た堪れなくて、話を逸らした。
すると陽先輩はまたニカッと笑みを作り
「そうそう!」と言い、話し始めた。









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