小説 | ナノ

02


2012年ももう終わり。
今年もいろんなことがありました。
颯斗くんとの出会い、月子ちゃんとの出会い、
翼くんとの衝突(顔面と腹部の真正面からの。)、
そして一樹会長との勧誘。


いろいろありました。
今年を振り返ると本当にここに転入してきて、
よかった、誇らしいと思えることばかりです。



寮に残った生徒達と星を見ながら、
私はそう思った。
来年はもっと充実した1年にするぞっ!
と意気込むととなりで翼くんが私の服を引っ張った。

「なーなー!陽!」

名前を呼ばれ、翼くんを見ると
いつも以上に目を輝かせて空を見ていた。


「俺、住んでたとこは空気が綺麗なところなんだけどな
虹を見たことがないのだ。
で、いま星いっぱいの夜空に七色の帯状のものが
かかってるんだけど、あれが虹なのか?!」

翼くんは指でさしながら私に聞く。
返事をしようと口を開くと

「な!翼!珍しいもの見つけたじゃねーか!!
夜の空に架かる虹は相当見れないんだぞ!
おいお前ら!!」

会長が先に言ってしまっていた。
まあいいのである。
でも夜の虹は珍しいなぁ。
私もこれで見たのは二回目。


「そっかー!そうなのかー!」


興奮気味の翼くんは握りこぶしを作って
やったー!と喜んでいる。
そんな様子をみていると遠くで鐘が鳴った。
除夜の鐘だ。

「あけましておめでとう、陽ちゃん」


耳を澄ましていると月子ちゃんから、
新年の挨拶。私もそれに返す。

「あけましておめでとうございます、月子ちゃん」

今年もよろしくねと月子ちゃんは微笑むから
私も頷いた。

「あけましておめでとうございます、陽さん」

次は颯斗くん。優雅な物腰で
丁寧に挨拶してくれた。 私も返す。
颯斗くんは、すると今年もよろしくお願いしますねと
これまた可愛く微笑んだ。
私は頷く。


そのあとは残りの生徒会メンバーに
挨拶をしてもらって、
月子ちゃんたちの幼なじみを抜く、
いろんな科の人達と戯れた。


とても楽しい年明けであった。




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