「おー、オニオンナイト、オレちょっとカオスと戦ってくるから」
そう言ったジタンにいってらっしゃいを言おうと振り向くと、彼はやけに物騒な格好をしていた。
白いコートの背中に二代目特攻隊長の荒々しい文字、白い鉢巻きを風になびかせ、左手には重々しいデザインのバングル。そして最も目を引くのが、右手に握られた巨大な釘バット。
夜露の死苦装備である。
「どうしたのジタン!その格好……!」
「ああ……今回は作戦を変えようと思ってな。フォースをブレイブに、で攻撃力アップだ!」
「なるほど……。でもジタンって釘バット装備できたっけ?」
普段短剣や投擲武器で戦うジタンが、あの大きな釘バットを振り回す姿はあまり想像できない。僕も釘バットは装備したことないからわからないけれど、あれは誰でも装備できるものなのだろうか。
「甘いな……。今のオレにはアビリティ・大剣装備がある!」
「えぇっ!てことは……ナイトの心得使っちゃったの!」
「うっ……!ま、まぁ、オレ、今度、素材集め、してくる、から、さ……」
急にしどろもどろになるジタン。まぁ、使ってしまったものはしょうがないか。そこでふと思い当たることがあった。そういえば、フォースを勇気に、って……。
「ねぇジタン、それより、フォースを勇気にっていうアクセサリあるの、知ってた?」
ジタンが目を丸くして口をぽかんと開けてフリーズした。知らなかったのか……。
「それ、まじ?ショップにはなかったぜ……?」
引きつった笑みのジタンに僕は真実を告げた。シャントット博士にアクセサリの本を借りといて良かった。また後で読み直しておこう、とその場を後にした僕は、ジタンの断末魔なんて聞かなかったし知らないよ。
二代目特攻隊長
その後ジタンは、真珠のネックレスよこせえええ!と叫びながらバッツと戦っていた。
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