ちょっと萌える話


余裕なさそうに髪を撫でてきたり、切羽詰まってんのか遠慮なく人の頭をがつがつ動かしてきたりするエドガーってなんかイイ。ちょっとときめく。
溜め息混じりに名前を呼ばれるのも好きだ。小さく声なんか上げられたら堪らない。ああ、これだから口でするのって止められないのだ。
喉の奥でぐいぐい圧迫されるのが好きらしいから(いや別に聞いてみたわけじゃないけど。反応でなんとなく)、苦しくないぎりぎりのところまで咥え込む。わざと派手に音を立てると震えたような吐息を零すもんだから更にテンション上がってしまう。

そろそろイキそうなのか、俺の頭を動かす手がさっきよりだいぶ忙しない。セツ、セツと呼んでくる声がいつもの姿からは想像出来ないくらいあどけなくてかわいくて、ずっと動かしてる口の疲労すら誤摩化せてしまう。うわ、27歳の男相手にかわいいだなんて!
何回かやっているとその「瞬間」って読めちゃったりするもので、噎せないようにうまーくずらして吐き出される熱を受け止める。びくびく震えているソレにちょっとした悪戯心がふつふつ。舌と上顎でくいくい押して絞り出してやると弱々しく呻くような声(俺にはそれが喘ぎ声にしか聞こえない)を洩らしながら、ばか…なんて言うのだ、あの王様が。ああもう、たまらない。
んく、と飲み込むと、なんとも気まずそうな顔をされた。んな今更。

「なんで飲むんだい…」

美味しいかと聞かれたら首を縦には振れない。でも飲めないことは無い。愛があれば飲めるな、うん。そう思えばそんなに不味くもないのかもしれない。

「こんなの、ずっと口に残してる方がヤだっての」

手渡された水差しからごくごく水を飲む。
しかし、アレだな。味云々より顎の方が気になる、俺は。だって何回やっても疲れるんだもん。
ほっぺの筋肉つりそう。

「飲まなくても、出すとか」

それまで待つのがイヤなんだよ。いいじゃん、減るもんでもないんだから。いや、減ってるのか。でも俺がもらってやってるんだからやっぱりいいじゃん、許せ。

「なァにをそんなに気にしてるのかなぁ、陛下は」

にやにや笑うとエドガーは、べつに、と何でも無いふりを装って言った。
もしかしてキスが出来ないのが嫌なのかな、そう思って顔を近づけてみるとがっちり掴まれて塞がれて、挙げ句舌まで入れられたからああそうじゃなかったんだな、なんて。
にしても、もうちょっと上品なキスは出来ないものか、いや出来るんだなやらないだけで。

「ちょっと苦い気がする」

なんだか申し訳なさそうにこちらを見る王様に思わず笑いそうになって、でも我慢する。
こういう「王様」らしからぬところが見れるから、やっぱり口でするのは止められない。でもそれだけじゃ物足りないので、耳元で「なあ、ご褒美頂戴」なんて囁いちゃう俺は全く堪え性が無いのである。許して欲しい。


(2011.1.31)
ちょっと、ああもう、なんてアンタって可愛いの。




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