3
「●●さん!...とオマケですね」
「俺がどうしてもついていく理由は呼び出しの相手がこのナルシストだからだ」
レズ女にもナルシストを●●に近づけさせないようにと釘を刺されたから。
というレンは何の用だといいながら職員室にずかずかと我が物顔で入っていく。
あぁ、私ってば本当に苦労人だわ。 てゆうか自分可哀想とかちょっと思いたい。 思ってもバチは当たらない、絶対。
こりゃため息も出るわ。 てゆうかため息位許せコノヤロー。
「ため息をつくと幸せと未来が飛んでっちゃいますよ☆」
あー、気持ち悪い☆ 本気でこの方は私に嫌われるように発言してるとしか思えない。 最後の星あたりがな!!!!
「ところで先生、用事ってなんですか?」
「あぁ、そうでした!●●さんの担任に頼まれたのですが、副担任を紹介しといて欲しいと頼まれまして」
なんで私…? しかも学園祭に必要な用事じゃないと思う。 てゆうかメイド服のまんまで職員室にいるのはもう嫌なんですけど!
「風紀委員だからですよね。雑務及び、先生からの連絡事項の通達、そしてウザい先生の相手。あ、本音が」
「●●...お前本当最近黒くなってきたな」
「きっとレンに触発されたんですね、わかります」
「じゃあお願いするから元に戻ってくれ」
えー、と反論を返そうとしたところに、見慣れない女の先生が割り込んできた。
…息を呑むくらい綺麗な人。 ゆるく巻かれた髪が、ミルクティー色の髪によく似合う。 大きな目に吸い込まれそうになったところで我に返った。
「はじめまして!私は八月一日 鈴(ほずみ すず)。苗字が読めないだろうから、すず先生って呼んでね」
「あ、はい。よろしくお願いします、すず先生。委員長に報告しときますね」
てゆうかこんな大事なことを私なんかにまかせていいのか学園。 突っ込みもしないけどさ。
「用事これだけ?」
「そうですよオマケ君」
「黙れ変態ナルシスト。どうせ●●に近寄るためだけに呼び出したんだろ変態」
2回も変態って言った!!! 2回じゃ足りないくらい変態だけどさ。
「当たり前です。僕は一応学年主任なのでその辺は自由が利きますし☆」
今背筋に嫌なものが。 てゆうか間違いなく職権乱用だよねそれ!?
「…●●、もうすぐ交代の時間だし戻るぞ」
ぐいっと手を引っ張られて、足早に職員室を後にした。 助かった、色んな意味で。
あっさりと終わった連絡事項にあっけにはとられたけど。
スタスタと前を歩くレンの表情は見えないけど、なんだか棘があるような雰囲気。
「レン?」
「やっぱり女は苦手だ…」
綺麗な金色の髪は少しの風でも靡き、キラキラと輝いて見えた。 苦手。 苦手ね…。
- 28 -
[*前] | [次#]
|