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不意に指先に感じた生暖かいもの。
見上げると私の指をくわえたレンが黒い笑みを携えていた。
「誰が馬鹿だって?」
黒い。 黒い黒い黒い!! 笑顔が黒い!!
そして私は視線の串刺し状態。
そうか、私は出店を味わうことなくあの世行きですか。
「ぎゃああぁぁぁぁ!!!死にたくない!おかーさーん!!おかーさーん!!
「よし、甘かった。てゆうかなんでお母さんって2回言った」
「大事なことだからだ!!てゆうかなにがよしなのかハッキリ言えコノヤローォォォォォォ!!!」
すばやくレンから手を取り返した。
周りの視線は好奇心からか、いまだに私たちに向けられていて逃げ出したい衝動が極限にまであがる。
あぁ、埋まりたい。 どこでもいいから隠れさせて!!
「だって手に綿菓子残ったままだったし。あと、面白いから」
「殴 り た い ☆」
てゆうかこの際地底人の仲間になってこい変態! これはもう公開プレイの一種だよコノヤロー!!!
羞恥心で消滅できそうで怖い!!!
「あら、見せ付けてくれるわねレン君!!マイハニー☆こっちにおいで!!」
「なんでいるレズ」
「そんなの●●を愛してるからに決まってるでしょ。はい、これ!」
執事服だけど、いつもの理子の口調でなんだか面白かった。
はいと渡されたものに手をつけるとたくさんの食べ物が詰まっててどれも並ばなくちゃ買えないものばっかり。
「どうしたのこれ?」
「1年生の女の子がくれたのよ☆私を男と勘違いしてね」
うっふふと笑う理子は心底楽しんでるようでなにより。 ぎゅうーと丁寧に抱きついてまで下さるもんだからさらに視線を浴びる羽目になってるのはきっと私しか気づいてない。
...きっとこれは修行だ、きっとこれは修行だ、きっとこ、
「聞いてた?」
「うん?」
「なんか14時ごろに職員室だとさ」
「●●は確か雑用係という名の風紀委員でしょ?だから呼ばれたのねー、大丈夫私があのナルシスト殴っとくわ」
風紀委員。 確かにそうなんだけど、1年のときなにも仕事なかったのにいまさらそれか!! しかも呼び出し相手はあのナルシスト先生!!
今日っていったい何。
誰か私を助けてくれる気ありますか。
□Truth is on the marct□
(着いてくから) (....ありがとう。でもなんで学園祭の日に呼ぶ必要があるの?) (直接聞け。あ、その魚の形のやつ頂戴) (これベーコンエッグだよ。タイヤキ風の) (...うま!!!!) (でしょ?てゆうかそれ一個しかないんだから返して!) (いや。欲しかったら、「愛してるから頂戴レン」って言って) (脳みそ大丈夫?) (●●よりかはな)
next-star07.
タイトルはエミール・ゾラの格言の一部。 「真実が進行中である」
20090912
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