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体育館から漏れる軽音部のパフォーマンスの盛り上がり、外で流れる引っ切り無しの校内放送と音楽。
それぞれの話し声に、足音。
そして私のとなりには、
「●●!!あれ凄いな!うわ、イカが姿焼きされてる!これは知ってるたこ焼きだよな?」
頭脳は子供、体は大人。 その名も鏡音レン。
きゃ、きゃ、と女の子さながらにはしゃぐその姿は14歳のあどけなさを放っていてずっとそのままでいてくれたらいいのにと思う。
...マセレンのーせんきゅー!!
レンは繋いでない右手にたくさんの袋をさげ、手にはさっき買った綿菓子。
「......」
綿菓子とにらめっこ。
「もしかして食べ方わからないとか?」
「別に、そういうわけじゃない」
「ちぎって食べたり、そのままかぶりつくのもありだから好きに食べなよ」
興味津々という目を綿菓子に向けて、一口かぶりつくレン。
眉間に寄せていたしわも口の中に広がる甘さに緩和され、少し笑顔が見れた。
「●●も食うか?」
「じゃあちょっと」
ん、と私のほうに寄せられた綿菓子の一部をもぎとり口に入れると想像していた味が一気に広がった。
私いっつも買っては一人で食べきれない。
...は!! そういえばレンが買ってるのばっかり見てて自分の食べ物買うの忘れてた!! なんだよコノヤロー...。 もう一周してる暇ないし。
「変な顔」
「いつもだよコノヤロー馬鹿レン!!ちくしょーめ...ってなにし、!?」
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