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「お帰りなさいませ...。べ、別に一緒にいてほしいわけじゃないですから」
あーだこーだいいながら、結局出来ちゃうんですねこれが。 あぁ、人間の適応能力は怖いわ。
てゆうかツンデレってこれでいいの?
私の読み通り、レンが居ることによって人は通常より入ってるらしい。 これはうれしくもあって、複雑。
...乙女な自分は苦手。 ツンデレに集中しよう。
「お帰りなさいませ、お嬢さま方。あちらまで、」
「違うよ理子君。こちらのお嬢様方は予約されている方だから、奥の席だよ。すみません、お嬢様」
なりきりというのはこういう事を言うんだね、うん。 二人ともカッコいい...。
「おい、●●。客が扉の前で困ってるけど」
「...あ。てゆうか気づいてるならレンがやってよ!」
「あーっそ。じゃあ見とけよ?年齢不詳になる位やりきってやる」
じゃあ、という低音が私の耳から入って思考を混乱させる。 どこまでこんな乙女思考にならなきゃいけないのよ!
あーもういつか絶対やり返す。
スタスタと扉に向かうレンはそれだけでもう、年齢不詳だ。 カップル客は二人して顔が真っ赤。
「お帰りなさいませ、ご主人様、奥様。今日はアールグレイとシナモンティーが合うかと思いますが、どうなされますか。てゆうかアールグレイにしとけよ」
「「あ、アールグレイで...!!」」
なんで顔真っ赤なのよ。 てゆうか奥様って単語には反応なしですか。 いや、おかしい!! 確実何かがおかしい!
はん、と私を見下ろすレンは勝ち誇ったかのような表情を浮かべ、お客さんにお菓子と紅茶を運んでいた。
だってあのレンが人のために動いてる。 S属性がこんなM属性の職業をこなせるなんておかしい! 確かに完璧じゃないけどな!
負けてられない。
なんかよくわかんないけど一応看板メイドなんだからしっかりしようじゃないか。
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