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メイド服を受け取った●●は足早にどこかに消えていった。






「…おい。●●はどこに行ったんだ?」





「気になる?」




「別に。●●に付いていけば分かる話だし」



んっふふーという笑いが気になったから聞かないでおく。
なんか企んでそうだし。



「ねぇ、委員長。10時開始までまだ時間あるけど何するんだっけ?」



「もう名前呼び終わりなんだ…。いや、いいんだけどね。10時までの時間、僕と理子は校内の見回りだよ。最終確認しておこうと思って」




「おっけー。じゃあ、●●のメイド服姿をたくさん写真に収めてから行くわ!!」



何気欲しいんですけど。
俺今日携帯と財布しか持ってきてねぇし。


わかったから、という苦労人は言葉の割には嬉しそうに笑っていた。




「あ、そうだレン君。貴方にもこれ、着てもらうからね?客寄せよ客寄せ★」




なんだ、この心底ムカつく最後の星は。



「てゆうか何着るって?つーか俺コスプレなら絶対やらねぇから」



「じゃじゃーん☆執事服!!!」



逃げよう。
今すぐ逃げよう。

俺は久々にかなわない存在に出会った気がします。
あぁもう●●のやつ何所行ったんだよ!!





ダッシュで扉まで走ってたら誰かにぶつかった。




「ぎゃあ!!?」




ちょうど溝に頭が入って、息がし辛い。
せき込んでから前を向くと●●が居た。





「…●●?」



「ったー…!!何してんのよ馬鹿レン!!こっちは身も心もブレイクだよ!!」



弾き飛ばされた余韻で、廊下に座り込む●●。





「…下着見えてるけどそれ誘ってんの?」


「違ぇよ!!てゆうかそういう重要な事は早く言え!!」




短い黒のメイド服から伸びる足には甘めのガーターベルト、メイド服にしては露出度が高い。



…このまま家連れて帰っていいかな。






「あぁもう可愛い!!!その仕草まで可愛い!!あぁもう、けしからんもっとやれ!!!」



「理子!!何これ!試着したときよりも酷くなってるし!!」



こんな胸元がっつり開いてる服なんて初めて着たわよ!!
こんなの胸寄せて上げても貧相なのバレバレじゃぼけぇ!!!


駄目だ…興奮しすぎて口が悪くなるわ★
あぁ早くどこかに埋もれたい。





「これね、レン君にも着てもらおうと思うんだけどどう思う?」



ぴらん、と見せられたそれは乙女の夢執事服!!!!




「え、え!!着てくれるならぜひ!」


「絶対いや」



「お願い、レン…」



「…わかった。そのかわり罰ゲーム2つに増えたから」



罰ゲームって…!!
もしかしてまだ時間内に帰らなかった事根に持ってるのか!



「でもいいかげん時効なんじゃ…」



「まだそんなに経ってないし、俺に時効なんて言葉はない」



なんでだよ!!
でもレンが執事服着てくれるなんて最高。しかも大人レン…。



「よし、その取引交渉成立させましょう」


「後で泣いても取り消し無効の契約だから」







…通常の高校生カップルはこんな会話をするんでしょうか。


少し疑問を抱きつつ、欲望のために頷いた。






□めいどいんすくーる□


(…ぎゃぁあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!)
(うるさい…)
(レン!!レンカッコいい!!もうマジで好きになりそう)
(ふーん?俺の事いままで好きじゃなかったんだ?)
(…あ。間違えた)
(罰ゲームてゆうかお仕置き3回に増えたから)
(なんで!!?)
(俺の気分とかで増える)
(何そのこれからまだ増やすみたいな言い方!!)




next-☆.3




20090818


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