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雨の如く降り注ぐ変態行為に逃げ続けて早30分。



頼りにならない男2人はまだ気絶中。
本当ありえない!!




「大丈夫ですよ。オレが優しくイかせて上げますから」



「変態発言は慎め!!てゆうかお前が逝け!!」


ヤバいヤバい!!
これヤバいって!
乙女の貞操危機だよマジで。
なんの為の持久走なんだよこれは!!
体育以外で走るのヤダ!




怖いし、廊下長いし!


いま私、え?何これ、迷路?みたいな感覚に陥ってるんだよォォォ!!!




「来るなァァァァァァ!!?まず私を姫君として扱ってるなら襲うな!!」



そして走らせるな。
むしろ座らせて...!



なんでカイトはそんな涼しい顔して走ってんのよ!!
私死にそうなんだけど!?



「何言ってるんですか?姫君を食べるのが騎士の仕事なんですから」



「あんたの変な騎士道はいらないから!!」




ガッ、と何かにつまずき盛大にコケた。
ヤバいヤバい...!!
立ち上がれない!!
まず顔上げたくない。


床に平伏せていたい!!


言っとくけど私は変態でもMでもないからね!!
ナチュラルだから!!



「変な騎士道...ねぇ。確かにそうかもしれません」



「え?!や、やめッ」







グイ、と腕を頭の上で固定されあろう事かマフラーで縛られた。




うわ何これ!?
外れない...!!
固いし!
ありえねぇよ!!




「食べるのではなくて気持ち良くしてあげるのがオレの役目ですかね」




「ヤダヤダヤダ!!触んないで!!...っ、レン!!!助けてよー...」



久し振りに泣きそうになった。
あの日からもう泣かないって誓ったのに。





「残念ですが、レンは来ませんよ。○○様はオレの為だけに鳴けば...っと!危ないですねぇ」




ドガァン...!!!











「死ねバカイト」




「ミクの○○姉に触らないでよね」




「年中発情するのは勝手だけど廊下でヤるの止めてくんない?」




ドガァン、となんとも表しにくく鈍い音が私の耳を震わせる。
爆発音...?




煙が私の視界を濁らせるもんだから近くのカイトしか見えない。



それになんか声が聞こえたような...



ヒラリと避けたカイトは声がする方向へ仁王立ちした。





「厄介なのが帰って来ましたよ」


「はい?てゆうか手ほどいてよ!!」



「逃げるでしょう?」


「当たり前でしょ!!」





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