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学校を早退するなんていつぶりだろう。
生まれつき健康優良児なもんなんで。 風邪なんて滅多に引かない。
「...わかってる、わかってた。理解し過ぎてる」
「さっきから何言ってんの?」
だから、レンと歩くと視線がいたいのよ!! しつこいとか言わねぇで下さい!
これマジなんです。
小さい時の何割り増しか私には分かりません。 分かりたくありません。
「小っこい方が好きだな...」
「...ショタコン?それともただの変態?」
「黙れ、マセレン」
「あー、あれ?脱がした事まだ怒」
「次やったら消す」
「何気に真顔で言うの止めて!!それ俺に対するいじめ?」
「大人なレン君はやっぱり見た目だけだね」
こう言えば何も言わなくなるのは分かってる。 だって自分からウィルス中に入れたんでしょ?
それにいじめ?って感じの仕打ちは私の方が多く受け取ってますから。 もうお腹いっぱいなんだよコノヤロー!!
「って事で殴り込みに行きます。付いて来る?血ぃみるぜぃ!!」
「誰だよ!?どういう流れで殴り込みなんだよ...もう好きにしてくれ...」
レンを飽きれさせれるのって私だけなんじゃね? さっすが私。 なんかいらないスキルが上がったわ。
「もしもし?お兄ちゃん?今すぐ行くから」
「マスター!?」
『え、ちょ、待っ』
「答えは聞かない」
ブツ。
少し声が紳士っぽかったのはお兄ちゃんクオリティって事で。
「○○って最近Sに育ってない?」
「そう?誰かさんのせいじゃないの」
私的にはN(ナチュラル)なつもりなんだけど、使い分け出来るのかも。
やっぱりいらないスキルが上がってる。
「まさかマスターの家に殴り込」
「当たり前☆」
「ヤバい、その顔眩しい!!」
ほぼアポなしと言って言い程なんだけど、いかんせん私は妹。
許されるでしょ。
何回見ても馬鹿デカい家、てゆうかお屋敷。 マジで兄妹なのかな、なんて。 疑わざるを得ない状況が目の前に聳えたっている。 私はお金無い学生なのにこの差はなんだよ。
インターホンを鳴らすとモニターと共にお馴染みの声が聞こえた。
「お兄ちゃん?扉あけ...!?」
気がした。
そこに写るのはお兄ちゃんではなく、青年ボーカロイド、別名年中腹壊しアイス馬鹿が画面を青く染めていた。
「うわ、バカイトだ」
レンは凄く顔を歪めながら言った。
その声は相手には届かず、大きな門に跳ね返されたようだった。
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