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「おいコラ。えいってなんだよ。それにそこ唇じゃないんだけ...ど!?」


唇目掛けてキスをしたけど無意識の内にほっぺたにキスしてた。
さすが私。

するとまた間抜けな音がして大人レンが現われた。

非現実過ぎて突っ込み所がありません。


「でも戻ったよ?」

ラッキーってやつだ。

「ちょっと!!さっきのモデルみたいな子がいる!!」


「本当だ!!」


「誰?一緒にいる女」


うわ、バレた。
ややこしくなるじゃんか...。

ドサ、と今日二回目。
何回やられてもこんなのは慣れない。


「や、!」



「ちょっと我慢しろ」

と小さく囁くと、私の顔を女の子達に見えないようにして絡んできた。




するととびっきり妖しい笑みを携え微笑むレン。





「今イイところだから邪魔しないでね?お姉サン方...」


大人レンには色気がますらしい。
私の顎をクイ、と持ち上げて言うのは止めて下さい。



「「「は、はいぃ!!」」」


お姉様方もとい先輩方はバタバタと屋上を出ていってくれた。

のはいいけど、




「脱がすな馬鹿ー!!?」



大人レンは理性が制御しにくくなるらしい。
私にどうしろって言うのよ。
お兄ちゃん絶対消す。




「...別にいいじゃん。所詮人の形した電化製品だし。PCとしたとでも思っ」


「無理!!てゆうか軽く変態な事言うな」


こんなに一緒にいても一度もアンドロイドなんて感じなかったんだから。

歌ってもくれないからボーカロイドだってことも忘れかけるんだからね?



「俺の事嫌い?」



「あんたね...そう言う風に聞くのはズルイ。あえて言うなら好きでも嫌いでもない。でも鏡音レンは好き」



「俺じゃない俺ね」



まぁ、いいや。
唇じゃなかったし。
たしかファーストキスは...最悪だったけど。

駄目だ。
そんな事考えだしたらろくなことはない。



「取りあえず帰りたい。でも後一時間授業あるし...まぁいっか。次はさ、私の嫌いな理科&ナルシスト先生だし」

「どうすんの?」


「早退するの。あーでも教室入らないとな...」




「帰れるしいいじゃん。バナナ食べたいからさっさとして」


軽く言ってくれるよ。
あの先生はウザいんだから。




早退をするべく手配を済ませて教室へ行く。

6限はもう始まってしまっていて、通称ナルシスト先生は教壇でナルシストっぷりを発揮していた。
みてよ、マイ手鏡なんて授業中いる?



「行かねぇの?」


「正直行きたくないの」


あんなヤツみたら自然と拒否反応出るようになってんのよ私。
何故だかわからんがナルシスト先生は女子に人気だけど。
本当わけわかんないけど!!



「じゃあ俺が行って来る」


「馬鹿待っててよ!!」


レンが行くといくら理事長に話してあっても話がややこしくなる。
なんでいつも飛び抜けて常識外れな事言うのよ!!

授業中だって事を忘れて2人で騒ぎまくってしまった。




「廊下五月蠅いですよ!...おや、○○さんじゃないですか。どうかしました、っとそちらの方は?君はなんて罪深い人なんだ...!!僕というものがいながら...」



ね?ウザいでしょ?
一人芝居とかかなりウザいでしょ?


私今身体にブツブツ出来たわ。
これは寒いとき、気持ち悪いとき、身体が拒否してるときにでるものです。
一言で言うと生理的に無理!!!



「先生うっさい。私の○○が見えないんで退け。あと○○をファーストネームで呼ぶのも止めて下さい」


「理子!」

助かった!!

「よしよし。帰えるんでしょ?はい、鞄」

髪を柔らかく撫でてくれて目当てのものをくれる。


「うん、ありがとう!」


「またね!って誰そいつ。レン君は?」


しまった!!
理子は大人レン知らないんだった。


「えっと、また、話すから!!今はいとこって事で!!行くよ!」


なんとか、脱出。
てゆうか誰か分かんない程成長してないと思うんだけど...。
身長と色気が増しただけで。


「何?穴開きそうなんだけど」


「そんなガッツリ見てた?」

「うん。あ、そうそう今日は夜飯バナナだろ?」


「違うから」


なんでこんなに元気なのよ。
私は今日死にそうな位疲れてるのに。



「そうそう、もう二度と学校には来ないでよね。
これ破ったらバナナ無し、つか買わないから」


「惨い!!!」





□キス症候群□


(理子って鈍感って言うか馬鹿って言うか)
(なんか言った?委員長)
(あのね、多分レン君はさっきの子だと思う)
(...えぇ?!!だってサイズが...!!)
(事情があるんだよ)
(...そっか)



next-act18.



20090203


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