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黙々とお弁当を食べる傍らでは口論が繰り広げられていた。




「○○は渡さないけど守りなさいね」


「お前のもんじゃねぇし」


「理子もレン君も落ち着いて下さい」

「「五月蠅い、馬鹿!!」」



意外と仲良いんじゃないかな。
でも二人で黒オーラは出さないで欲しい。
空気がよどむだけでなく被害が出ます。
っていうか基本私に被害が被るんだよコノヤロー!!



...まぁ、今はお兄ちゃんに文句を言う為あの二人は放置。


ワンコールすると軽快な声が携帯を通して更に不快感を私に与えてくる。




『もしもしー?どう?成長剤ウィルスは!!惚れちゃった?惚れちゃった??』

「死ね。レンはもう元に戻ったわよ」



これ、なんだろ。
お兄ちゃんにしか出来ないよ。
こんな風に私をイライラさせられるの。





『あれ一週間は続くんだよー。○○が唇にちゅーしたら大人レンになるよ』



「はぁ!?何そのベッタベタ設定!!」



心の底から消えてくれたらいいのに。



『楽しいからしてみた。あとね、大人レン君じゃないと見つかったら大変だよ。理事長には18歳って言っといたから!』


「なにしてんのよ!!お兄ちゃんの馬鹿!!」

心の底からじゃなくて宇宙から姿を消して、これ一生のお願い!!



『あとね、ちゅーの事な』



ブツ!!



部外者が学園に居るってなったらそりゃ大変。
ちゅー...はぁ。

なんでそんなベタなのよー...。




お兄ちゃんに遊ばれてる気がするわ。



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