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あー、つまんない。
学校って久々に行くと楽しいよねーとか言う夏休み明けの会話が理解出来ない女子高生が1人。


私です、はい。


授業なんて苦手な教科ばっかりだし唯一好きなのは週一の音楽の時間。


まぁ、何も弾けないんですけどね。

こんなんだからレンに調教はいらねぇ!とかそんな感じの事言われるのか。

レンの為、とかレンに歌って欲しいからとかじゃなくて純粋に音楽の勉強でもしようかなー...。



ドン!


「!!」


机の上にたたき付けられた黄色いもの。

飲めない
バナナジュース。
あーもーコイツは!!




「だからねレン!私はバナナが嫌いな...の、








って理子!?」


「あらー?誰かしらレンだなんて。私が知らないうちに変な虫でも付いちゃったの?」

夏休みって怖いわねーと言いながら私に近寄ってくるクラスメイト。
同い年に見えない妖艶なお姉様。


「別に変な虫だなんて付いてないから!!」


てゆか変な虫って言い方なんとかならないの?


「私の可愛い可愛い○○が男の名前出すなんて初めてよ...!!今度会わせなさい!一発殴るから」


語尾にハート付いてるけどなんか怖いよ!
なんか目がマジだ。

そのままお昼を食べるために理子は私の向かい側に椅子を持って来た。



「で?いつ会わせてくれるの?彼氏さん」


「ブハッッ!!か彼氏!!?いや、いないし会わせられないよ」


私の友達にしてはダイナミックなお方だ。
喋り方とか胸とか。
胸関係ねぇとか言わねぇで下さい。

理子はヲタクじゃないので勿論そんな話(鏡音レンとかその他)はしない。
でも学校では一番仲が良いし普通に話すには問題ない。

ただ、



「じゃあレンって何者!?私の○○のなんなのさーッ!!!」





私の事を凄く気に入ってくれてるみたいで。
何かにつけては一緒にいる。



「レンはただの友達、だよ?」



...友達?
なんか違和感。
えー...なんかレンってどんな存在なの?って聞かれると私も分からない。

そういえばレンと離れて過ごすなんて初めて...。
だからなの?
さっき名前が出てきたのは。




「急に名前が出ちゃう程仲良いのねー。やっぱり会わせて」


「か、考えとくね」











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