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「…なんだよこれ!!俺元に戻ってるし!!!」



「マジだ!!あぁ!!久々にもとのレン見たよー…!!」





やっぱり小さい方が可愛い!!
…そ、そりゃ大人レンだって捨てがたいけどさ!
やっぱりこっちの方が落ち着くわ。


ぎゅう、と私と変らない身長になったレンを抱きしめた。






「俺って可哀想…」



「へ?何が?」




「男には色々事情があんだよ…」







はぁ、とため息をつくレンは少しうな垂れていた。
よくわかんないけど全て元通りじゃん!!







「まぁ、なんでもいいけどお茶でも飲も、」
















言いかけた言葉はレンの背後に見える人物によって出なくなった。












「もー!!レンは押しが足りないのよね!!よし、ワインで酔わせるか!!」






「めい姉ちゃんもそう思う?ミクもねー、レン君は肝心な時に駄目だと思う」







「確かにそうっすね。レンは玄関で○○姉を襲う気だったんっすか。色気が足りないっす」








「まぁ、みんなそう言わずに。ヘタレンな君にオレがイロイロ教えてあげるよ」



「黙れ変態兄貴」






ダラダラと変な汗が流れ落ちる。
こ、この状況は一体…!!







「ま、まさか全部見て、」





「「「うん、ばっちり」」」






この3姉妹は…!!!
急にさっきよりも恥ずかしくなり、羞恥の色に染まる。
あぁ、もう早くどっかに消えたい!
てゆうか穴掘って入りたい!!!









「○○――――!!!!お兄ちゃんと結婚するって言ってたのにィィィィ!!!」







「いつの話だよ馬鹿兄ちゃん」






ワンワン、と泣きまねをしながらうずくまるお兄ちゃん。





放置プレイしたい人の気持ちが少し分かった気がする。



とりあえずこの際すべて水に流そう。
トイレにでも放り込んでさ。







「マスターですね、こんな仕掛けしたのは」




「あ、ばれてた?なにより元に戻ったみたいでよかった!!」






仕掛け…?
また変な話をしだすから困るんだよね。
脳が弱い私の為にちゃんと説明して欲しいもんだ。








「おかげさまで壊れませんでしたよ。しかも趣味悪い仕掛けまでして下さって」






れ、レンの敬語が妙に怖く感じるのは私だけでしょうか。
いいえ、違うと信じています。
敬語キャラじゃないのがこんな風に語りだしたら気味悪いなコレ!!






「だってー、大人レンが○○襲っちゃうのが目に見えてたからね☆」




「だから本気で欲情したときは元の俺に戻るわけですか」






「え!?マジでか!!!」





これは理解できた!!
じゃ、じゃあさっきのは本気だったって事!?





カァァァ、とまた熱を持ち始めた身体を誤魔化すようにキッチンへ向かった。




無性に恥ずかしいんだけど、この密かに嬉しい気持ちはなんだ!!
あれか!!
もしかして変態が写ったの!?
あまりにも変態率が高過ぎて!!



…しっかりしろ私。
みんなリビングのソファに着きくつろぎ始めた。
みんなもう私の家って感覚ないでしょ。
絶対自分の家と勘違いしてる!!










「んー…でもなぁ。小さくても男は男だし、それに問題は解決したからね。レン、家戻ってきなよ」



「それは、」




「だ、駄目だからね!!レンは私と一緒にいるんだから!!」





…って私!!
なにこんなこと言ってんのよ!!

これじゃあ独占欲強い女みたいじゃんか。
あー、やっちまったな。







「マスター。俺に○○くれませんか?」






な、なにを言い出すのよこの子は!!
するとお兄ちゃんは飲んでいたコーヒーカップを置いてにこやかに言った。








「うん、あげない☆」






「マスター大人気ないわよ! ○○が笑うならなんでもするって言ってたじゃない」






ふふん、と笑いながらメイコはワインをグラスに注ぎ飲んでいた。


お兄ちゃんがそんな事言ってくれてたなんて知らなかった。
なんだかんだ言っていいお兄ちゃんなんだよね…。
ちょっと変ってるけど。






「ありがとう、お兄ちゃん…。あのね、これ最後の我がままだから!!」





どうかレンを連れて行かないで…!
私、また昨日みたいな思いするのはいやだよ…。





きゅ、となにかが私の手を包み込んだ。
レンの方を見ると微笑んでいて、元の姿なのに大人びて見えた。








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