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「○○、バナナ食いたい」








…本当にコイツはさっきまで危険、人間で言うと危篤状態だったのにこの回復ぶりはなんなのだろうか。




もしかしてドッキリだったとかって落ち?
それとも味気ない夢落ちとか?






「○○?」







そんな落ちだったら笑っちまいますね、はい。
それにバナナなんか食う暇あるのかな。
私的にはまだ心配だしお兄ちゃんに見てもらうのが懸命だと思うんだけど…。


てゆうか忘れてたけどいつになったら元のレンに戻るのか気になります。
明日?もしかして明日の9時?

ウィルス入れた時間らしいし…。


うーん…。
わからん!!






「話し聞いてねぇだろ。なんなら野外プレ、」



「うっわ何アレー☆バナナ特売だってさ!!」




「いらねぇ。だから野外プ、」




「一回見逃してやったのに気づけ馬鹿レン!!や、マジ触らないで変態ィィィィィィィィィ!!?」





普通に手繋いでただけなのに急にスル、と腰に手が回るのを何とか阻止した。
ヤバいよこれ。
何コレやっぱりドッキリなんじゃないの?
変態発言は今に始まった事じゃないけどね!!





なんとか変態行為から抜け出して帰宅。
私の日常がやっと戻ってくる。


平和で平穏で普通じゃないけど私にとっては普通な日常。
私が望むのはそんなところかな。




レンを先に入らせ自分も中に入り鍵を閉める。
ソファにでも座って、ゆっくり過ごしながら話でもしたいかも。
















「…退いてくださいませんか」



「いや」





玄関から一歩も動けずに立ちっぱなし。
これはどんな状況か誰か教えてください。


扉と挟まれたままじゃなにもリアクションが起こせません!!



顔の傍にある腕を掴んで退けようと試みるも、あんまり意味はないみたいで焦る。





「ほ、ほら、バナナ冷蔵庫の中にあるし、食べようよ。それでね今日はレンの好きなものつくってあげ、」











その先の言葉が出ない。
唇に熱が集まってしだいに顔中に広がった。







「…ちょっと黙れ」









抵抗しようと思えば出来る。
でも、レンの目に引き付けられて身体が動かない。




冷たくなった手をきゅ、と握られてやんわりと扉に押さえつけられた。
この雰囲気はヤバいんじゃないですか!?




ひしひしと身の危険を感じるのは言うまでもないし、それがわかってても何故だか抵抗できない。




ちゅ、と額にキスをされたかと思うと、鼻、頬へとキスが降ってきて終いには首筋まで降りて来た。








「れ、ン…!!」






「…○○」





低く声が響いたと同時にチリ、と首筋が焦げた気がする。
ゾクゾクとする感覚が身体中に広がって、





















ポン。















「「…ポン?」」









これは前に一回だけ聞いた事がある。
初めてレンが大人の姿になった日、それで襲われかけた時に聞こえたあの間抜けな音。









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