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真っ白過ぎる私の脳は、本当に行き先を教えてくれない。
駆け下りる坂も何処に繋がるのやら。





もともと体力が皆無な私は直ぐに息切れ。
そんな中声が聞こえた。







「待つっす!!」




静止の声は今聞いてられない。



「イヤ!早く探さないと...雨が降るかもしれない!!そしたらまたウィルスのせいでレンが変になる...」




後ろを向かなくても分かる。
さっきまで一緒にいたんだから。



でも、私はこんなところで止まってられない。
行き先が分からなくてもレンに会いたい…!






「また...変?」





少しリンの声が遠ざかるのが分かって私も不意に止まる。







「え...?だってレン今正常に戻ってるんでしょう?」





振り返ってリンを見ると、少し目を伏せていた。
寒さがまた身に染みる。






「...ごめん。まだっす...。レンは今危ない状況なんすよ。明日の朝9時までになんとかしないと駄目なんす」







その、時間がウィルスを身体に入れて一週間なんすよ。






あぁ、やっぱり神様なんていないと思う。






なんでこうなったの。
なんでこうなるの。




レンに存在するなっていうの?
レンは存在しちゃ駄目なの?






ぐるぐるぐるぐる。
弱い脳みそは堂々巡りを始める。




時間ないのに…。






「もうなんかわけわかんない…」






「○○姉...」







神様が存在を許さなくても、そんなの関係ない。







「…私はねリン達の存在とっても嬉しい。だって…私レンが居てくれて生活も気持ちもなんか変ったんだ」







変われるなんてそうそうできない。
なのにレンのお陰でちょっと変れたと思うの。



ずっと妄想世界に恋してきたし、実際に恋はしないと思ってた。
なんていうか…その点レンは特殊だけど。




「だから、私もレンを変えてあげたい」









「…わかったっす。どこか思い当たる場所あるっすか?」









思い当たる場所…。

足は勝手に動いてたけど行き先はない。
レンと行った場所は…?





一緒に買い物をしたスーパーも

服を買いに遠出した街も

携帯ショップも

バナナパフェが3000円のボッタクリ喫茶店も





レンが行くとは思えない…。






他には…?




どこか、例えば私と行ってない場所でも…!








「思い、ついた!!」






「え?ちょ、○○姉!?」













きっと、あそこに居る。
今からじゃきっと走っても30分はかかる。



でも、行かないと!







わざとかって思うくらいだ。
この雨が降るなんてタイミング。






晴れ間に小雨。
狐の嫁入り、全然嬉しくない。
夏ならまだよかったのに…。






「いま、は!!…はぁ、寒、さ増すだけじゃん!!」




走りながら喋るのは最大の自殺行為だと思います。
息が出来ません過呼吸です私。





早く行って、なんとか出来るならなんとかしたい。
私じゃ役に立たないなら他に出来る事を探そう。



答えは一つじゃないはず。
てゆうか一つだったら面白くないよ。


面白いとか言ってる暇じゃないんだけどね。



虚勢張ったり、変にテンション上げようとしてみたり、泣かないって訳わかんない事決めたり。




そんな風にしてなきゃ、もう普通にしてられないんだよ。
レンと少し離れただけで、もう不安で押しつぶされそうなの。





あんなに生意気で口悪いだけのレンには絶対惚れないと思ってたのに。


















いつのまにか好きになってた。












「…やっぱり居た」








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