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「でもまぁ、いいよ。寝る場所は各自確保してね」



こんだけ明るかったら暗い考えなんて吹き飛ぶし、考えが揺るがないと思う。

そんな意味では皆に感謝。


でも、でもね、








「一応ここマンションなんだよね。だからマスターとして言って。今すぐカラオケを止めろってな!!リビングから大分と離れてるのにちゃっかり聞こえてるんだよ!!」





仮にも弟が大変な事態だっていうのに素晴らしい騒ぎよう。

…きっと信じてるからなんだろうけどさ。





「分かった。とりあえず○○は寝ていいよ。レンの事は任せて」




目の腫れが酷いよ、とジェスチャーされた。
そんなに酷いのか。
明日学校行くのヤダな、やっぱり。
きっと心配させるだろうし。



それにレンの事は信じてるから、大丈夫なんだよ。
だから泣かない。
大事に取っておく。



枯れたら大変だから。
ママに言われた事を反芻する。
生まれた時、結婚する時、そして私の3つ目は大切な人のために泣く。





「でも、待って。私は皆が寝るまで起きとく」




だって何が起きるかわかんないし!



喧嘩でも始めたらこの家崩壊するからね、確実。
だって前にマシンガンみたいなの使ってたもん。



マシンガンをぶっ放したのはメイコだけど、それを軽々と避けたカイトも色々と危険だと思う。



てゆうか兄妹揃って物騒すぎるのよなにかしら!!
見張ってないと何をするか分かったもんじゃない。



それと、



「…お兄ちゃん、レンお願いね…。








…よし、メイコ、ミク、リン、カイト!!カラオケは明日にして今日は私とババ抜きしようよ!」




リビングに向かいながら言うとすぐに返事が帰ってきた。



「私に勝てるなんて思ったら地獄みるわよぉー!!」



「ミクもいいの?やるやる!…お兄ちゃんは端っこにでも座らせてあげる」




「あたしもやりたいっす!カイ兄はどうするんすか○○姉」





「すみに座るくらいなら参加はしないし、俺は忙しいから。それでは○○様、そう言う事なので」





じゃあ、といいマフラーをヒラリとひるがえして去ろうとするカイトを捕獲。



今日は私に1日付き合ってよね、みんな。






「みんなでババ抜きするのよ。…あぁそれともババ抜き如きが出来ないとか言う?」




トランプをこれ見よがしにひらひらさせると何か思いついたかのような顔をして座った。


みんなで囲むテーブルはいつもより少し小さく見えた。





「じゃあ負けた人は勝った人の言うこと聞くなんて罰ゲームが付くならやってあげてもいいですよ。要するに命令聞く感じで」




ニヤリと笑うカイトは完璧なにかたくらんでる!!
駄目だ、こんなの飲み込んでゲームなんてしたら危険だs、




「それはいいっすね。あたしは賛成」




リンンンンンンっ!!!
賛成とか三世とか酸性とか聞いてないから!

あーもー私キャラ壊れてるじゃんか。




「じゃあ私が勝ったらみんな裸踊りしてね」

ヤダよ!!
てゆうかなにしに裸踊りなの…。
ちょ、焼酎の空瓶放り投げないで!!




「ミクはねー、ミクが勝ったらみんなでネギのはや食い競争したいな!!生の玉ねぎでもいいよ!」



これもヤダよッ!!
満場一致で罰ゲームありなババ抜きが始まりそうです。



...トランプなんて持ち出すんじゃなかった。











「これで、俺は上がりです」



始まって5分も立たないうちにカイトは1位抜け。
なんかさ、この流れってさ…




さらに5分後。








「ってやっぱりかァァァァァァァァ!!!!」




「じゃあ俺の言う事聞いてもらいますよ○○様」





「んぎゃァァァァァァ!?近づくな変態!」





カイトの端整な顔が間近に近づいてきた。


後ろは壁で逃げ場はないし、しかもこれは罰ゲームだからみんな助けてくれない…!



鼻と鼻が触れそうになったところで、成す術が無くなった私は目をぎゅう、と瞑った。





と、同時に鼻をつままれた。










「俺の命令は、○○様…思いっきり泣いてください」








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