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ガタン!!




「な、んだ、コレ…」








足の力が急に抜けて立てなくなった。



脳なんて無いはずなのに頭がガンガン五月蝿くて痛い。


まず夢を見る事自体おかしいのに、まだ頭痛まですんのかよ。
厄介だな。




なんか朦朧としてきた…。











『あー何これ、』




こ、え…?




『めっちゃ使いづらいんだけどコイツ』






だ、れ…だ?






『あーもーだからリンの方が良かったのよ!』






{俺、ちゃんと歌うから…}






俺…?





『ちゃんと歌いなさいよ!』







{ごめんなさい!ごめんなさい!!なんでもするから捨てないで!!}









これは、俺が…見た、夢のセリフ…。
頭が、痛い。






さっきから、コレ…なんなんだ。



頭を鈍器で殴られたかのような感覚がする。
あぁー…マジ痛ぇ。





こんなのはさすがに予想してなかったな…。
それにしてもさっきから俺すげぇ仕打ち。




頭の中で響く声が俺の感覚を鈍らせて行く。
闇に落ちてる感覚なんて良く分かんねぇけどそんな気分だ。
これが誰だろうと関係ないはず。





でも、さっきから聞こえる声にいちいち反応しちまうのはなんでだ。
心が疼く。





○○、直ぐに○○に会いたい。





今、何かに捕まってねぇと何処まで落ちて行くのか…分んねぇんだ。




少しの間、頭の中で鳴り響いてた声が止んだ。















{マスター…}



不意に俺の声が頭に響く。










『リンだったらよかったのに!!』



瞬間、俺は目を見開いた。











『こんなソフト貰ってもな…』






『捨ててやる!!』





『リンがよかった!』






『レンが歌下手だから誰も聴いてくれやしない』





『あー、面倒臭い』







『飽きた』








『こんなのいらない』









心臓を何かで串刺しにされた。









…はは、そっか。







雨、降ったのか…。







俺が、…俺が、弱いから…。









プツ、と何かが途切れる。







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