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「ふわぁあ。眠い。眠すぎるよこれは」



朝、いつもより早く目が覚めた私はまた独り言。
これ癖なんじゃないかなもう。


昨日も昨日でなんでか早く帰らされたし…。
多分やること無さ過ぎて邪魔なんだろうけどね。
うん、仕方ない。
今日はなんとかやること見つけなくちゃね。


シャ、とカーテンを開けると昨日とは打って変わって太陽が元気良く街を照らしていた。
冬の太陽もなかなか眩しい。


まだ家を出るまで1時間もあるし…。





「弁当でも作るかな」



それならついでに朝ごはんも出来るし。
レンを起こすのはもうちょっと後でいいから放置!!
今日は食堂も購買もある日だけど、気分でお弁当。




「ミニハンバーグー☆ハンバーグには一つまみのさ・と・うー!!」




砂糖のお陰でミンチが引き締まるのです。


あとは、パン粉をあらかじめ牛乳に浸しておいたり。


時間があれだから今はしないけど。



自作の曲はこうして朝とか調理中に歌うのが最適なんです!

あれだよ、今なら某セーラー服の「いいかげんにしなさい!」とか変態超能力者の「まっがーれ」とか言えちゃうんだなコレが。



なんなら超時空シンデレラも追加しよっかな。




「キラッ☆」






って感じでさ。
こう、小指立ててマイク持って、










「あー、俺まだ寝てたほうがいい?」






フリーズって言葉はこういう時のためにあるんですね、分かります。





「…居づらそうに入ってくる位なら来ないでェェェェ!!」




昨日もこういう事なかった!?
あった、あったよ。


昨日よりましだけどこっちはオタク全開☆



いや、気にしてないけど。





「俺が歌ってやろっか?」




「え、キラッ☆って?」





レンが、ましてや大人レンがキラッ☆



妄想してみ…出来ない!!
今一瞬モザイクが脳内でかかった!!
なんでだよ!!



見せてよ私の脳内映像!!




「よーし、殴ってその頭正常に戻してやるよ。歯食いしばれ」





「すみません、すみません!!マジ、妄想ごめんって!!見てないから安心して!!」





「妄想したのかよ!!」





「大丈夫!キラッ☆の所でモザイクかかったから」





「要するにその前の踊りは全部やらせたんだな、俺に」



「き、キラッ☆」




全く持ってその通りでございます。



でも、ちゃんと元のレンでや…なんでもありません。




急いで話をずらすためにバナナをレンに献上した。



「なんで3本?」



「え、べ、別に?って玉子焦げてるー!!」





なんか変な匂いがするかと思ったら、フライパンは煙を上げていた。


一大事じゃん!!




「熱ッ!コレ熱!!」




「当たり前だろ。ほら貸せ」





軽くなった左手は空気を掴んでいて、直ぐ傍ではじゅう、と油に水を注ぐ音がした。


朝から焦げ臭いね。


「なんかせっかく早起きしたのにちょっと損した気分だよ」




「誰かのせいで焦げた水曜日だな」




そういえば今日は水曜日か。
一週間の中間。
これがまた面倒な日なんだよね。


学校行きたくない病が発動しやすい日だし。




「玉子は諦めてさっさと用意すれば?俺は用があるから昼から行く」







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