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「レン君次第だとは思うけどね。…てゆうか何考えてるのか僕にはわからないけど」




レン君がそんな顔するっていうのは何かあるんじゃないかって。






こいつは…!
何か確信があってそんな事言ってやがるのかと思ったら…!
一瞬凄まじく殴りたい衝動に駆られたけど我慢。



人の目も在る、って○○が言ってたからな。






「臣だかなんだか知らねぇけど、余計なお世話だ。俺が○○を泣かす訳がねぇだろ」





ありえない。
俺は鳴かせはするけど泣かせはしない。




窓の外を見ると雲が何十にも重なって、昼直前だっていうのにどんよりとした天気。



俺は単純なのか天気と重なってどんよりとした気持ちになった。





「レン君だけだよ、僕の名前普通に呼んでくれるのは。じゃあ僕はアルンナートの人を迎えに行くよ」




「期間限定生徒だっけ。…仕方ないから名前呼んでやるよ」




不憫すぎるだろ。いや、なんか面白いけど。




「本当自分がかわいそうでならないよ」




そんな事をいいながら教室を出て行った。





俺は今どんな顔してる?
…こんな曇った顔してんのかな。




…所詮ソフトで、電化製品な俺。


そんな俺が人間の○○にこんな気持ち抱いたら駄目なこと位分かってる。


この気持ちは伝える気は無かった。


でも押さえ切れなかったって事は俺の意思が弱い証拠。


弱い自分が憎い。
でもなにもやらないで後悔するほど情けない事は無いと思う。




だからと言ってコレが正しかったとも言いがたい。



普通だったらありえない関係だし、ありえたら駄目なんだ。


誰かに認めてもらおうなんて気はさらさらない。


でも、○○は人間なんだ。







神様っていると思うか?






今、俺ネガティブすぎて本当自分でウケる。





なぁ、










「##name##1…」








窓を見ていたはずなのに目の端には見慣れないものが入り込んでいた。






「おや、彼女の名前かい?アンニュイな表情がとても似合っているよ」





す、と前の席を陣取った。






何こいつ。




今俺は考え事中なんだよね。


てゆうか考え事中じゃなくてもお前みたいなタイプは苦手だ。
馴れ馴れしい。






「初めまして、実咲の兄の実貴です。今週いっぱいアルンナートなんだ。よろしく」





何をどうよろしくしろって言うんだ。
面倒い。
お願いだからちょっと1人にしてくれよ。
俺は誰とも話す気にならねぇんだから。




「…まぁ、いいよ。話は聞いてるからね。余談だけどいい事教えといてあげるよ。確か沢山の女の子がここに向かっていた、まぁささやかな忠告だよ」




「おーい、このデザイン見てくれないー?特別仕様なの!実咲スペシャルよ☆」





じゃあまたね、と言い残し教室の隅の方へ移動した。

最後のほうは何言ってるかほとんど聞いてなかった。




...この教室は賑やかだ。

学校に行くってどんなんなんだろう。



俺が普通の人間だったら中学生くらいか。
…○○とは釣り合いもしねぇな。



色んな事を考えすぎてなにも結論が出てこない。
以前に出せないだけかもしんねぇけど。





「レ、レン君!!」




「臣?」





「早く逃げ、」






漫画のように鳴り響くこの地震のような現象は地響きか。



勢い良く開けられた扉の前には、



…て女子!?





「臣…もっと早く言ってくれ」







こんなに教室に入られたら逃げるに逃げれねぇし、走る気失せるわ。


...近くに来ないで下さい。
化粧の匂い、嫌い。



「レン君...頑張れ」







あははははははは、助けろよ。



俺有名人じゃねぇんだけど。



今キャラ崩壊寸前なんだけど。




キャーキャーギャーギャー五月蝿い。


お願いきいてくれるなら今すぐ立ち去ってくれ。
あとかたも無く。




女は…苦手なんだ。
○○は平気なのに。


こんなん無視するのが一番。





すると群れの1人が話しかけてきた。






「お、お昼に食べてください!」


いや、俺腹空かねぇし。





「彼女とかいるんですか?」


○○。
って言っても聞かれたからって答える義理はねぇけど。





「知らないの?あの●●さんだよ」




あの、って言い方が気にくわねぇな。




「あぁ、あの大人しそうで結構普通な?」



「微妙よね」






どっちが。









「…そんな事しか言えねぇお前らに、○○の何が解る?ほら、1分待ってやるよ。もっと何か言えば?せいぜい無難な答えを出すことだな」





冷笑と呼ぶにふさわしい笑みを浮かべてるのが自分で分かる。


この大人の姿だと低い声も容易く出るのが笑える。


今気分が良くない。
まぁ、俺の期待に沿えた答えがあるといいな。



今尋常じゃないくらい考えて頭ショートしそうなのに、そんなタイミングで来るなんて運の問題。



女子でも手加減しないのが俺のモットーだ。
マスターの家で生きて行くには影での奮闘が...ってこの話はいいか。



とりあえず泣き叫ぶ顔を想像しただけで笑える。



無様で滑稽だ。





...なんて、○○の立場ってもんがあるから出来ねぇけど。







教室の後ろのほうから急にパンパン、と手を叩く音がした。









「ほら、君たち。学園祭の準備があるんじゃないのかい?上手く行くといいね、今年も」






「「「「「「は、はい!」」」」」」






バタバタ、と来た時同様漫画のように去っていった。




嵐が去った後ってこんななのか。
机の上にはありえない量の食べ物などが置かれていた。






俺を太らせる気かあいつら。






ふと、窓の外を見ると校門をくぐる○○の姿が見えた。







「臣、○○達帰って来た。」





「30分で帰るって僕に言って出たのに…こうなるって分かってたけどね。」





「顔、にやけてるぞ」





「レン君もだから気にしない」







ガラララ、と扉が開いた。


瞬間廊下特有の冷たい空気が一緒に入って来る。




「おかえり、
理子と●●。てゆうかやっぱりお菓子かよ!」








「ただいまー。別にいいじゃない☆あの人来た?」






臣は何か話してたけど俺には何も聞こえない。




変な顔して何考えてんだよ○○。
その顔変顔もんだからな?




さっきから何処見てんだよ。
帰ってきたなら俺みろよ。





「おかえり○○。…俺が言った事覚えてるか?」




クス、と不自然な笑いが漏れた。


さぁ、ナニしてやろうか。




□悩める子羊□



(このたまごサンドうまー!)
(よかったな)
(食べる?)
(口移し?)
(それさっきと同じ会話なんだけど)
(そうだっけ)
(馬鹿レン)
(イイ度胸だな)
(!!)







next=act31.




一回全部消えたけどとりあえず書き直してみました!
おかしい点がいっぱいorz





20090305


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