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○○が買い物に行ってから時間はとても遅く流れていた。



何をするわけでもなくただぼーっと○○の席に着いて外を眺めては時間を潰す。


こんなに退屈な事は他に無い。


身体が重い。




それはアンドロイドだからとかじゃなくて、だるいって言ったほうがしっくり来るかも。




相変わらずの曇り空は俺の気分をそのまま具現化したみたいで胸糞悪い。



…真似すんじゃねぇよ。



そんな事より時間守れなかったからって何しよっかな。


悩むな。


○○はどんな顔するだろ。



あぁ、でも気分が乗らないのはなんでだ。


この天気のせいか。







「レン君」





「なに…?」




「臣だよ」







何言ってるんだ?


ストン、と前の席に腰掛けて俺に向き直ってくる。





「僕の名前。●●が居なくなったら随分と凄い表情をするね」





「ほっとけ。関係無ぇだろ」




そんな事を言いに来たのか。


ずかずかと入り込んで来るコイツに嫌気がしないのはなんでだろう。


…少なくとも構うな、とは思ってるけどな。







「寂しそうな顔とかそんなんじゃない。不安そうに見えるけどね」





前言撤回。


やっぱりずかずか入り込んでこられるのは苦手だ。


土足で入ってきやがった暁には覚悟しといて欲しいくらいだな。





「俺がどんなでもお前には関係ない」





「ごもっともだね。でも僕は君を心配して言ってるわけじゃない。理子のためだよ」





俺の表情一つとどう関係するというのか。



あんまり喋らないキャラかと思えば結構喋るヤツに限って何考えてるかわかんねぇ。



頭賢そうなヤツならなおさら。


○○たちと居る時は馬鹿だけど。





「もったいぶるなら委員長らしく仕事しろよ」




それが一番今やらなきゃなんねぇ事だと思うけど。

優先順位を一つ間違えればとんでもない間違いが起こるかも知れねぇぞ。


まぁ、俺には関係ねぇけどな。






「●●が泣くと理子が泣くんだよ。僕はもう理子を泣かせないって決めたんだ。たとえ原因が僕じゃなくても、ね」





そう言う委員長の顔を見たら何も言えなくなった。

言いたい事は山ほどある。



どうして○○が泣くのか。



何しに今それを俺に言うのか。


あと俺に喧嘩売ってんのかって感じかな。








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