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ぐちゃぐちゃになった髪を梳かしながら上を向くとそこに居たのはレンじゃなかった。
「あぁ、すまないね。私はレン君じゃないよ」
「うわ、す、すみません!!」
レンとは違う感じの綺麗な男の人...。 うわぁ...なんか凄い。 スーツ完璧に着こなしてて大人の人って感じ。
「どうでもいいから○○を返せ。お前までアイツと一緒かよ」
またグイ、と引っ張られてもとの位置に戻った。 目が回る気がするんだけど。 理子...笑って見てないで助けてよ。
「私相手に嫉妬かい?」
「誰だろうと一緒だろ」
「ふふ、いい顔だ。惚れちゃいそうだよ」
はい?
だ、駄目駄目!!
「そんな危険な方向にい、」
「ちょっとお姉ちゃん!!からかっちゃ駄目だよー」
「そうですよ実貴さん。からかうならもっとガッツリいってください☆」
理子…?
あー、えっと…
お 姉 ち ゃ ん ?
シスター?
「お、女ァァァァァァァァァァ!?なにかの間違いじゃ...」
嘘だ!! だ、だってこんなにカッコイイのに!! 格好だって綺麗に男物を着こなしてるし、背だってレンと変らない。
「はは!ごめんね。レン君は気づいてたみたいだけど。せっかく隠してたのに。私は実咲の姉で実貴。よろしくね、○○ちゃん」
「は、はぁ」
差し出された手にひかれ握手を交わす。 あ、でも手が女の人...って感じかな? あーでもわかんない!! 性別って意外と分からんもんなんだね。
不意にクイ、と肩を引かれた。
「…○○。なんか飲みたい」
「喉渇いたの?買って来たよー」
「口移し?」
「絶対しねぇよ。てゆうかベタでしょそれ」
恥ずかしい! まず私からなんて出来ないし、しませんから。
そんな事よりお腹すいた。 今日食堂やってないんだっけ…。 忘れてた。
てことはお昼ご飯お菓子?
「はぁ…」
「どうかした?気分が優れないみたいだけど」
「あ、いえ。大丈夫で」
「○○」
「ふふふ...。本当、君の彼氏は面白いよ。○○ちゃんが帰ってくるまで寂しそうにしていたからね」
「黙れ男装女」
「ふふ。じゃあまたあとでね。楽しみにしておいてね○○ちゃん」
レンが? …家で待ってる時も確か寂しいって。
中身は14歳だもんね。 最近そこら辺を忘れてる気がする。
「てゆうか何楽しみにしとけばいいの?」
「なんでもいいんじゃねぇの。とりあえず何か食え。朝も食べてねぇんだから」
はい、と差し出されたものは2つのパン。 メロンパンとたまごサンド。
くしゃくしゃ、と撫でられた髪はまた乱れた。 せっかく直したのに。
まぁ、いいや。
□野茨の魅力□
(いいの?) (うん。貰い物だけど) (…貢がれてますね。机の上の全部?) (いらねぇのになんか押し付けられた。多分○○居なかったから) (ラッキーじゃん) (…遠まわしに言ってんのに) (ふぁに?) (いいから、食え)
next=act30.
なんかまた変なキャラ出てきたw
20090301
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