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「○○時間ヤバいんじゃねぇの?」







そういわれてベッドから飛び起きる。
時計は7時半を差しててご飯食べてから家出てたら完璧に遅れる!!







「もっと早く言えェェェェェェェ!!?」






遅刻するから!!
今日の1時間授業何かわかんないし!




昨日すぐ帰っちゃったからだ…。
もう、なんか朝からグダグダ。
朝ご飯食べないで学校行ったら確実に戦闘不能状態に陥ります。


とりあえずご飯は学校で何とかするにして、今はこんな事考えてられない。
時間だけが進んで行く。
あーもー止まれよ時計!!







「はい、制服」





私が時計と心の中で戦ってるなんて梅雨知らず、レンは制服をよこしてきた。






「ありがと、早く着替えて
























…って出て行けコノヤロー!!」





ナチュラルにセクハラされかけた!!
危ない!

最近のレンはいろんな意味で危ない!!



とりあえずレンを追い出してさっさと仕度をする。


だってこの少ない授業出とかなきゃ後が怖い。
この学園の成績制度はいまだに掴めないから色々と不安だし。



しかも着にくい制服は毎日うんざりする要素の一つ。
私服でも毎朝面倒だからイヤなんだけどさ。
でも、一つ言わせてください。







こんなにスカートが短くていいんですか。

今更だけどさ、校則的にね!!
規定の長さが”絶対膝上!”って校則がまずありえない。


しかも女子は黒か白ニーハイ…。
なんで萌え要素をそこに放り込んでんのよ!








はぁ、とため息と同時に視線は時計に向いた。






「ぎゃー!!8時ィィィィィ!!レン用意出来た!?早く行




















…なにしてんの」








寝巻きのままもぐもぐとバナナを食ってやがります。
こう、沸々と怒りが脳に心頭していく感じが素晴らしく分かる。









「なにってバナナ食っ」





「そんな事分かるわ馬鹿!!遅刻するって言ってんの!!早く着替えて!!」








「俺バナナ食わないと理性保ってらんねぇんだけど?…あぁ○○がキスしてくれたらウィルスデータ書き換えられたりしてな」





○○からじゃねぇとなー、って言うレンは性格変ったと思います。
腹黒も大概だけど近頃はそれに意地悪+性悪が入り込んできていい迷惑だ。





クス、とカイトにも引けをとらないような妖艶な笑みを見せられる。
…バナナ食べてるから半減だけど。











「そんな事言ってないで早く用意してー!!」



ガボ、




「んぉ!?―っ!!」





思いっきり残りのバナナを詰め込んでレンの部屋へと放り込んだ。
ざまぁみろ!
日ごろの行いが悪いからそんな風になるのよ馬鹿レン。












やっと着替え終わったレンを引っ張り学校までマラソン的なノリで急ぐ。
えぇ、私は体育以外で走らせるのが大っ嫌いです。





「別に走んなくても着くんじゃねぇの?」



「そうですね、着くには着くよ。ただ遅刻するけどね!!」








走りながら喋るのはHPが減る最大の自爆行為なんだよコノヤロー!!
私の1000mの走り方しってますか。
一言も喋らないで息の仕方をずっと考えて完走すんのよ。
そしたらゴールした頃には死んでるけど。
体力は何やってもつかない。












ガララララっ!!







「っは、はぁ…つ、着いた!!」











「あれ?俺まだ来なくてよかったんじゃねぇの?」









「なんでもっと早く言わなのよォォォォォォォ!!?」







それだったら置いてきたから!
なんで今言うんだよ!!

あーもー疲れ損!
てゆうか走り損!!







とぼとぼと自分の席を目指しているとむにゅ、と背中に柔らかい感触が伝わってきた。









「おはよよん☆」






「おはよよん!?」









「マイスイート○○!!珍しいわね○○が遅刻なんて。あ、もしかしてレン君のせいかしらぁ?ほら昨日激しかったとか?夜のベッ、」




「言わないでェェェェェ!!!ありえないから!!てゆうか何そのテンション!」







「ありえなくないわよぉー。付き合ってるんだから」








「だから付き合ってな、」




「付き合ってるじゃん。あぁ、○○は彼女じゃなくてメイド希望なわけ?そう言うプレイもあ、」






「もう黙ってェェェェェェェ!!」






なんで朝からこのタッグにやられてんの私!!
頑張れ、私。
1日は長いんだから!!





とか思ってても自然とため息がでた。
今日は2つの幸せが逃げて逝きました。








「ごめんね、●●。理子のやつ昨日からあんなテンションなんだよ…」




委員長に気を使わせちゃったじゃないかコノヤロー。

…イヤ、昨日からじゃなくても理子はいつも変なテンションだけどさ。
さすがに新しい挨拶来た時はビックリしたけど!








「んふふふふふ!!」






「…アイツ怖いぞ」





「レン!!目合わしたら固まるよ!!」






「理子はメデューサじゃないから!!」




分かってるけどなんか目がヤバい感じのオーラ出してんのよ。
それもいつものことって事でこれは終わり。


考えるのも脳が追いつかないからね。
そんな話をしてると先生が来てSHRを始めた。


朝からよくそんな声がでるよ。
毎朝毎朝よくやる。



こんなに決められた事を1週間のうち5日もやって飽きないのは凄い。
飽きるもんじゃないって言うのは分かってるけどなんか反抗したくなる。




…できないけど。





窓の外はさっきとは打って変わって曇り空になってきた。
傘持ってないのに...。




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