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帰り道、気まずい雰囲気が取り巻くこの中。


家まで歩いて帰ったとしても同じ家なんだから意味が無い事位分かってる。




でも話づらい。
話したい事も聞きたい事もあるのに。






レンの少し後ろを歩く私の手は冷たい。




最近ずっと引かれていた手も空気に触れたままでどうしょうもなく寂しいって感じる私。









あの後、会話も交わせず教室まで行ったらいきなりレンが私のカバンを引っつかんで教室を出て行った。



理子の声が聞こえたけどなんでかレンの背中を引き止めたくて仕方が無かったから。










無意識に伸びていた手は、レンの手を掴む事は出来なくて中を舞った。













「ご、めん」




眉を寄せるレンの横顔に何もいえなくなる。






「…っ!」










...避けられたから。




どうしょうもない痛みが体中を駆け巡ってなんともいえない。



なんで、なんで。




拒絶された事なんてなかった。







…私がしてた方だったから、拒絶なんて知らなかった。










何処かの奥が痛い。









考えてるからっていっても足は止まらずに家に着いてしまった。



なんでだろ、いつもなら家に帰れるのが私の楽しみで一歩も家から出たくないって性格だったのに。




私おかしいな。






今、どうしてもレンと話したい。







「レン…」










「...夜飯、いらねぇから」








また、痛い。







「あ...そっか、うん。わかった」






本当は分かりたくない。







帰るなり自分の部屋に入るレンの後を目で追った。





締まった時の音が私に全部現実なんだって、思い知らされた。












…一緒に食べてよ。
1人に慣れてたのに、1人が好きだったのに!
そんなこと思う自分が怖い。





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