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『いいじゃん、ね?○○ちゃんも俺の事嫌いじゃないだろ?だって俺の物になるのが○○ちゃんの運命なんだから。それに俺ファンクラブまであるし?自慢になると思うよ』
『はい?…ちょ、やめ!!近寄らないでくださ…んむ!!?んー!!!』
ガリッ、
『っツ!!何すんだよ!!』
『…はっ、舐めないで下さい先輩。いい加減にしてもらえませんか?こんな強引にされたからって私はアンタを好きになんかなるつもりはないし、こんなのなんの脅しにもならない。たかがファンクラブで図に乗らないでもらえません?
あと、キス下手ですね』
ヤバイ、飛んでた。 あんな事言ってても、ファーストキスだししかも血の味。
普通だったらトラウマとかそんなものになるんだろうけど何故か私はそうならなかった。
あの後すぐに理子が来てくれて先輩を殴り飛ばしてた。
不思議と涙は出なかった。
それは私が冷めてたのか、突然すぎて理解出来てなかったのか。
「今からでも遅くないよ?俺の物のなりなよ。そうすれば華南たちにちゃんと本当の事言うからさ」
「は?何言ってんの?」
ぎゅう、とつかまれる腕の痛さで現実に引き戻された私。 なんかもうコイツ殴ってやろうか。
「俺のファンクラブの間では、○○ちゃんが俺にキスして迫って来た事になってるの知らねぇのー?ほら、ちょくちょく嫌味言いに行ってる子達だよ」
「あー、あの美少女軍団か!やっと話が繋がったよ。あの人らいつも分けわかんないからさ」
無視してたのよね。 どうでも良かったし。
「ここで○○ちゃんがキスしてくれたら全部無かったことにしてあ」
ゴキッッ
先輩の口からその先の言葉は出なくてただ、鈍い音だけが木霊した。
「ふーん?そういう事かよ。しょうもない男」
「レ…ン?なにしてんのよ。あ、分かった。脱がされたから逃げてきたんでしょ」
「はいはい、それ以上いったら脱がすぞ」
…黙るしかないじゃないの!! あれ冗談で聞きたい事他にあるのに!!
「だ、れだよお前は…!!」
「○○のカヴァリエーレってやつ。...うわー、あんたのせいで俺カッコつけちゃったじゃん。それと...○○があんまり他のヤツと話さねぇのはお前のせいだ」
え、そうなの? 私全く自覚ないんですが。 うーん、思ったより私って馬鹿なの?
「トラウマっていうのは自覚症状がないもんだ。まぁ、そんなのはいいとしてコイツ殺る?」
さっきから一回も笑わないレンを見て少し背筋が凍った。 レンの気迫に負けてかさっきまでの私への強気な態度は消えていて、床に座り込んで後ずさりしている先輩。
「殺りたいけど、正直もういいかな。レン思いっきり殴ってくれたみたいだし。ほら、手出して。腫れてる」
血が出てないのが凄いんだけどね。 てゆうか血でるの?
ぎゅ、とレンの手を握る。 痛々しく腫れた手が凄く愛しく感じた。
「○○ちゃんが悪いんだ…!彼氏のお前だってイヤだろ?他の男誘う女なん、」
「それ以上言えるならはっきり俺の目見て言え。言い終わった時お前原型留めなくしてやるから」
「あ、あ…っ」
「レンもういいから」
「じゃあなんで泣いてんだよ」
ぎゅう、と優しい体温が私を包み込む。
「…泣いてないから馬鹿レン」
「わかったわかった」
ぎゅ、と握り締めたレンの上着にきっと染みは出来ない。 何故かあの時出なかった水は私の頬を濡らしてるけど。
「ほら、こっち向け」
一瞬、
「…へ?何よレ…ん!んぅ…!レ、ン!!」
頭が真っ白になった。
「泣くなよ…。俺どうすればいいかわかんねぇから…」
唇にあてがわれていた温度が離れたかと思ったらキツく抱きしめられた。
□破った誓い□
((神に誓った事でも))
((泣いてる○○に勝てるものなんてない))
((たとえ…))
next=act27.
ちゅ、ちゅーした← 甘濃すぎ...ですかね?(聞くな
20090220
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