3





「はぁ…お兄ちゃん、なんか話すことがあってきたんじゃないの?」




盛大にため息を落として、兄がわざわざ家まで来た理由を促す。




そして早く連れて帰っていただくためにね!!








「ああ、そうそう。レンのことなんだけどな」





さっそくキター!!


よし、連れて帰ってくれ。




その隣にちょこんと座っている猫のフリしたライオンを檻に戻してください。



私にだけ見えるように悪い顔するその子はお兄様に返品いたします。




まさにクーリングオフッ!!




「○○?聞いてた?」



「ん?」



「だから、レンをしばらくこの家に住まわせてやってくれ」










神様。




私は今幻聴が聞こえました。




凄まじい悪夢のぶり返しです。





「ちょっと待とうか。それはマジで?」





冗談ならおいたが過ぎる。




そんな事言いやがった暁には宇宙人に売り飛ばしてやる。




Xファイルのモ○ダー捜査官にだって解決できない謎はあるんだから、その中の一つにしてあげる。





「あぁ。○○には言ってなかったが、俺の家にはもうリンを入れて4人いる。」





だから、というけど4人も5人も変わりないと思う。




「ってお兄ちゃん皆持ってるの!?」




「まぁ、持ってるって言い方は好きじゃないけどな。皆人間みたいだし」






軽く言うけどさ、それってPCの中にいるんじゃなくて外、つまりは私たちがいる所に出てきちゃってるって事だよね?




一大事じゃないか。



そしてやばいくらいSF!!


私なら失神するわ。





「お兄ちゃん。VOCALOIDを買ったら絶対にこんな風にPCから出てくるの?」




「…いや、普通は出て来れないしこんなスムーズに会話のキャッチボールをするのも出来ない」




訳が分からない。


じゃあ、この現象はなんなんだ。



やっぱり悪夢なんじゃ…。




「器、アンドロイドを持つVOCALOIDはこの世に5体、つまりはメイコ、カイト、ミク、リン、レンこの5人しかいない」




「それで、マスターは僕たちみんなのマスターなんだ」





え。





そんなことって起こりうるの?



全てのVOCALOIDのマスターがお兄ちゃん!?








□怖い人□


(もう、なにがなんだかさっぱり)
(本当にマスターの妹なのかよ?)
(小声で言うなら何も言わないほうがマシよ?ねー?レン君?)
(お前、覚えとけよ?)
(うっ!)







20081007


- 10 -


[*前] | [次#]