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お休みなさーい☆、と言った○○は俺を男として見てないのか相当神経が図太いのか。
○○の場合は後者だと思うけど。 いや両方かも。
まだ朝と呼ぶには早すぎて、夜と呼ぶには明けすぎてる今。
なんとなく寝れない俺は○○を観察するしかない。
「...変な寝顔」
ブニ、とほっぺたをつついても何一つ動かないのは熟睡してるからか。 俺も寝たいんだけど。
寒くなってグイッと布団を引き寄せた。 ○○は馬鹿だから風邪引かないだろうしな。
「...ふに...レン...寒...」
「!!」
馬鹿!! 近寄ってくんなよ!! 寒いのは分かるけど擦り寄って来るのは...
...あーもー、構って○○に触るのは別にいいけどこういうのは駄目らしい、俺。
突然とか無理。 やるのとやられるのとじゃ大きな違いがある。
最近俺らしくねぇよ、本当。
ため息が自然と出る。 白い息が出ないだけまだマシ。
「なぁ○○...俺さ...」
聞いてないって分かってても喋ってる俺ってヤバいのかな。
「俺な、」
静寂が支配するこの部屋で俺の声が虚しく溶けて行く。
行き場を無くした子供みたいな感覚に襲われたけどそれはそれ。
目線を下に向けて考え込む。
例えば自分の事分かってて知らないふりするのってありなのかな...?
安っぽいドラマなんかじゃない。 ましてやドラマみたいに綺麗に上手く行かないし。
そんなの分かってる。
それに俺は人間じゃない。 喉の奥に感じるモヤモヤは知りたくないし、閉じ込めたい。
でもな俺...知ってるんだ。
「この一週間の間に...」
神様がいるならなんとかしてくれよ。
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