2




お休みなさーい☆、と言った○○は俺を男として見てないのか相当神経が図太いのか。



○○の場合は後者だと思うけど。
いや両方かも。


まだ朝と呼ぶには早すぎて、夜と呼ぶには明けすぎてる今。


なんとなく寝れない俺は○○を観察するしかない。




「...変な寝顔」



ブニ、とほっぺたをつついても何一つ動かないのは熟睡してるからか。
俺も寝たいんだけど。



寒くなってグイッと布団を引き寄せた。
○○は馬鹿だから風邪引かないだろうしな。


「...ふに...レン...寒...」


「!!」



馬鹿!!
近寄ってくんなよ!!
寒いのは分かるけど擦り寄って来るのは...



...あーもー、構って○○に触るのは別にいいけどこういうのは駄目らしい、俺。



突然とか無理。
やるのとやられるのとじゃ大きな違いがある。


最近俺らしくねぇよ、本当。



ため息が自然と出る。
白い息が出ないだけまだマシ。




「なぁ○○...俺さ...」





聞いてないって分かってても喋ってる俺ってヤバいのかな。




「俺な、」





静寂が支配するこの部屋で俺の声が虚しく溶けて行く。



行き場を無くした子供みたいな感覚に襲われたけどそれはそれ。

目線を下に向けて考え込む。



例えば自分の事分かってて知らないふりするのってありなのかな...?



安っぽいドラマなんかじゃない。
ましてやドラマみたいに綺麗に上手く行かないし。


そんなの分かってる。




それに俺は人間じゃない。
喉の奥に感じるモヤモヤは知りたくないし、閉じ込めたい。




でもな俺...知ってるんだ。





「この一週間の間に...」






神様がいるならなんとかしてくれよ。






- 70 -


[*前] | [次#]