松半
2012/11/26 23:46





半田は嘘を吐くのがすごく下手だと思う。


「半田ってまだ初キスしたこと無いでしょ」

「なっ、な・・・んなことねぇし!」

「嘘だー」

「ある!あるったらある!」

「そんなこと言っちゃって。嘘ってバレバレだよー」


全くもう、何をムキになってるんだか。
頬は完全に引き攣ってるし、大げさな身振りから動揺してることは明らかなのに。ついでに言うと頭の双葉もピコピコと動いて(揺れてが正しいんだろうけど)いかにも私は嘘を吐いてますって証明しちゃってるようなもんだよ。半田はそれでもまだ頑なに否定してるけど。


馬鹿だなぁ、ほんと。
何で気づかないのかな、まだだと知ってほっとしている僕がいる事に。


「そ、そういうマックスはどうなんだよ・・・!」

「僕?僕は今から済ませる予定」

「は?」

「もちろん相手は半田だよ。良かったねおめでとう」

「へ、マックス何言っ・・・」


ちゅっ。
そんなやたらと可愛らしい音が僕達以外誰もいない教室に響く。

触れたのはほんの一瞬。だけど確かに重なった。
ノーカウントじゃない、これが僕達のファーストキスだ。


「半田の初キス貰っちゃった。感謝してよね?」

「なっ・・・マックスの馬鹿!何すんだよ!!」


そう言って半田が真っ赤な顔を片手で隠すようにして怒る。だけど、半田は嘘が下手だから。触れた体温も、離れる直前に見開いた目も、さっきから聴こえる慌しい心臓の音も。ただビックリしただけじゃない、僕の事を意識して、好きだって事を伝えてる。


「初キス卒業おめでとう」


だから僕はもう一度そう言ってにっこりと微笑んだ。



(さて、それじゃあ始めましょ)
(僕達は恋の途中)
(次のステップまで駆け出そう)


****************

中学生してる松半好きです^^
すごい久しぶりに書いた・・・!(笑)
この2人の組み合わせ大好きなんですよね←

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