基緑
2012/11/08 22:59
「ヒロトは俺のどこが好き?」
「全部」
「本当に?」
「本当だよ」
「じゃあ、ヒロトは嘘つきだね」
「嘘じゃないさ」
俺は緑川の全部が大好きだよ。そうもう一度繰り返したけど、腕を後ろに回してクスクスと楽しそうに笑った緑川はその場でくるりとターンする。
揺れた黄緑色のポニーテールが、やけに俺の視線を捕らえて離さない。ああ、緑川はなんて魅力的なんだろう。これが小悪魔のような可愛さって言う奴なのかもしれない。
そう思っていると、やっと振り返った緑川がやっぱり悪戯っぽい笑みを浮かべながら口を開いた。
「誰かの全部を好きになることなんて不可能だよ。好きだからこそ、嫌いなところだって見つけてしまうものなんだ。必ずね。だから俺はヒロトの全部は好きじゃないよ」
「でも緑川はどんな俺も好きでしょ?」
「うん」
「じゃあ緑川も嘘つきだね」
「そうだよ」
そう言って俺に抱きついてきた彼はいつだって真っ直ぐで純粋で正直者だから、俺はきっと緑川のそんなところが嫌いで愛おしいんだろう。
(染まらない僕と君)
(どこまでも純粋に)
(壊れた問いかけを何度でも)
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雰囲気で・・・!
雰囲気で何かを読み取ってください・・・!!((無茶言うな
バカップル過ぎない基緑を書こうとするといつも変な方向にいってしまいます・・・あれ・・・?
病んでない、ですよ・・・?(多分)
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