京天+アキ
2013/04/11 22:47




今日は剣城が俺の部屋に遊びに来る。


いつもみたいに帰りにちょっと寄り道、みたいな感じじゃなくて。
お昼から明日の午後練まで。そう、つまりはお泊まり。
剣城が今日、俺の部屋にお泊まりする。


だから俺は、せっかくのオフだけど早起きして朝から掃除に精を出しているわけだ。


「うーん、こんなもんかなぁ…」


普段からそんなに部屋を散らかすほうじゃないし、たまにアキ姉が俺の居ない間に掃除してくれてるから汚く無いはずだけど、やっぱり気になる。
せっかく剣城が来てくれるんだから、ちょっとでもくつろぎやすい快適な部屋にしておきたい。
でもきっとサスケが入ってくるだろうから、もしかしたら毛が落ちてるかもしれない…けど、そこは目を瞑ってもらおう。見つけたらすぐに拾えばいいしね。それよりも俺の毛とかは落ちてないかな。うん、今のところ大丈夫。


そうこうしているうちにピンポーン、と軽快なチャイム音が鳴り響く。次いでアキ姉が「剣城くんが来てくれたわよー」と俺を呼ぶ。俺ははーい、と返事をしてもう一度部屋を見回し、ドアを開ける。すると、


「うわっ!」

「……よぉ、」

「つっ、剣城!っえ、今来たばっかりだよね?何でもう俺の部屋の前に居るの!?」

「…アキさんが、天馬を驚かせてやれって言って…あのピンポンはフェイクだ」

「もうっ、アキ姉ってば!」


まさかこんな時に限ってアキ姉の悪戯心が働くとは。
若干気まずそうにする剣城とは対照的に、俺は半ばパニックだ。そういえば俺、髪とかちゃんとしたっけ。服も掃除の時に汚れたりしてないかな。お茶とかお菓子はきっとアキ姉が今用意してくれてると思うけど、…あれ、掃除機とか片付けたっけ?


そんなことが頭の中でぐるぐると回りつつも、俺の口は自然に「とりあえず上がって、剣城」と言っていて、剣城も「…お邪魔します」と言ってから大人しく靴を脱いで部屋に上がってくる。
あれ、もしかして剣城も少し緊張してるのかな。


「…ねぇ、つる…」

「…お前の部屋、」

「えっ、あ、散らかってる!?」

「…そうじゃなくて、何て言うか……お前の匂いがして、落ち着く…」


かぁぁ、色白の肌をほんのりと赤く染めてそう呟いた剣城に、俺の体温も一気に急上昇する。剣城がそんなことを言うなんて、やっぱりどこかいつもと違う。ちょっと変だよ。でもそれはきっと俺も同じで。
だって胸が、すごくくすぐったい。


「……俺も、剣城の部屋に遊びに行ったときいつもそう思ってるよ…」

「っ、」

「…ねぇ、今日一日ずっと一緒に居たら匂い移っちゃうかな?」

「…まぁ別に、悪くないんじゃないのか…」


立ったまま見つめ合って、2人して笑って。
アキ姉がおやつを持って部屋の扉を叩くまであともう少し、俺は剣城との2人きりの空気を満喫することにした。


(近い未来)
(きっとそれが)
(当たり前の幸せになる)


**************


お泊まりネタなのにその描写一切無し(笑)
何ていうかもう、京天ちゃん早く同棲しちゃいなよ(^ω^)
アキ姉好きです
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