サルフェイ
2013/03/24 22:49




僕が忘れた僕のココロを、君はずっと持っていてくれたの。


抱えていてくれた、守ってくれた。君だけは、僕を憶えていてくれた。
僕と言う存在を、忘れないで、ずっと待っててくれた。



ねぇ、それがどんな意味を持つのか。


君は分かっているのに、気づいていないフリをするんでしょう?


「フェイ、ぼーっとしてどうしたんだい」

「ん、サル……何でもないよ」

「相変わらず嘘がつけないね」

「嘘じゃないってば」

「そうだね。隠してる、…いや、誤魔化してるが正しいかな」

「………」


何なのその言い方。隠してるのも、誤魔化してるのも、僕じゃなくてサルでしょ。


そう言いたいのに、結局何も言えないのは怖いから。


僕はきっと、僕が想っているように、サルも僕の事を想ってくれているのに。それでも自信が無くて、弱いから。
強がりの嘘も上手につけない、そんな僕は。君に否定されてしまう事が、とても怖いんだ。


もしも僕が素直に言えたら、サルは馬鹿だねって言って笑ってくれるはずなのに。
こんなにも近くに居るのに、ろくに手だって触れない。
君の気紛れな不意打ちを、僕はいつも待つばかりで。


ねぇ、気づいてないのは君のはずなのに、どうして僕のほうがこんなにも君と向き合えないの。


「フェイ、今夜僕の部屋においで」

「…え、なんで」

「今夜は流星群が見られるらしいんだ」

「…そ、そうなんだ。うん、わかった行く…」

「……安心しなよ。寂しがりやなウサギの願いは、星じゃなくって僕が叶えてあげるから」

「なっ、に言って…!」

「その代わり、月には帰してあげないからね?」

「…意味わかんないよ…」


君が居る温もりを、優しさを、尽きる事の無い愛しさを。僕はこの腕に、胸に抱えて、もっともっと溺れていく。
だけど沈んでしまわないのは、きっと、君が力強く僕を引っ張って離さないからなんだよ。


それがどんな意味を持つのか、僕も君も分かっているのに。
やっぱり気づいてないフリをするのは、2人、いつまでも曖昧な海に漂っていたいからでしょう?


(満天は沈む)
(深く、色を閉じ込めて)
(遠い貴方の底で、僕は眠るの)


******************


サルフェイ書きたかったけど特にネタは無かった。
…つまりは雰囲気です!いつもですね!
時間軸がわからない(^q^)
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